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第9章 めずらしい人との出会い

「堀内さんはなにかスポーツとかやってるんですか？」

咲枝はさっそく、年の近い独身男のあれこれを聞き出そうと質問を並べた。

「野球やってるんだ、草野球チームで。
　会社の先輩や友達の友達みたいにみんなバラバラなんだけど、
　だからかえって楽しいかな」

「じゃあそこに進さんも参加してるの？」

「ううん、オレはチームプレイは実は苦手で。テニスを学生の頃やってたんだ」

「この人たち、変わった趣味繋がりなのよ」

里佳子が身を乗り出すようにして話しに割って入る。
変わった趣味とは何なのか、私も興味津々で前のめりになった。

「なんですか？変わった趣味って」

「オレ達ね、歴史ミステリー好きなんだよ」

「へえ！歴史ミステリー？」

私も嫌いじゃない。
もう二度と見ることのできない過去。
未来は自分の目で見られるが、過去はもう誰にも見ることはできない。
本やテレビで見聞きする話が本当なのかどうかも実はわからないが、
それよりもロマンを感じられるところがなんとも興味をそそられる。