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毒蜜喰らわば
第9章 めずらしい人との出会い
「えー、じゃあ徳川の埋蔵金とかああいうのも信じてるの?」

咲枝が聞くと、雅斗も進も少し頭をひねった。

「そういうのよりももう少し身近な話が好きなんだよね。
 たとえば・・神社とかお寺とか都内にもたくさんあるでしょ?
 そこに祀られてる人って有名人ばかりじゃないんだよね。
 加えてどうしてそこにその神社なりお寺なりができたのか、とか、
 調べるとけっこうおもしろいんだよ」

その言葉を聞いて、私は急に恋願神社の事を思い出した。
恋愛成就で人気になったあの神社にも、何らかの歴史があるはずだ。
それも恋愛に関しての。

はるか昔、あの神社にはどんな愛がかかわっていたのか。

そういうふうに考えたら、進と雅斗の気持ちがすごく理解できる。
2人の顔を交互に見ていたら、また雅斗と目があった。
なにかを探るような眼差し。
そしてふと感じたのは、その視線は私を通り越している瞬間があるということ。
まるで私の後ろに誰かがいるような、そんな目つきが少し気になった。
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