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毒蜜喰らわば
第9章 めずらしい人との出会い
「恋願神社、最近話題になってるでしょ?恋愛成就のお参りに女子が殺到って。
う~ん、もう一回行って来るかなあ、今度はさらに真剣に拝むとするか」
「さあ、その話はこれくらいにしてさ、咲枝と美智がたんまりスィーツ
持ってきてくれたからさっそく食べましょうよ」
なんとなく気まずい空気が流れたところで里佳子が
話題も雰囲気も変えるように声をかける。
そうだね、食べよう、と私と咲枝は里佳子の後についてキッチンへ行き、
お茶の準備を手伝った。
その後は雅斗も進もがらりと話題を変えて
彼らが学生時代に行った旅行先でのハプニング話や
私達の学生時代の事を話題にしたりして、咲枝の機嫌はすっかり直った。
が、私の頭の中には時折雅斗の言葉がよぎった。
恋願神社でお参りした。
願いが叶いますようにと手を合わせた。
だけど、あの場にいた誰しもが同じように気持ちを込めて願っていたはずだろうに。
私の姿は見えて咲枝の姿は見えないなんて。
それに私を通り越すような視線も忘れられない。
ふと、思った。
今日ここで出会ったのが
堀内雅斗というイタコの孫、という事も、
もしかしたら恋願神社の導きなのではないか、と。
う~ん、もう一回行って来るかなあ、今度はさらに真剣に拝むとするか」
「さあ、その話はこれくらいにしてさ、咲枝と美智がたんまりスィーツ
持ってきてくれたからさっそく食べましょうよ」
なんとなく気まずい空気が流れたところで里佳子が
話題も雰囲気も変えるように声をかける。
そうだね、食べよう、と私と咲枝は里佳子の後についてキッチンへ行き、
お茶の準備を手伝った。
その後は雅斗も進もがらりと話題を変えて
彼らが学生時代に行った旅行先でのハプニング話や
私達の学生時代の事を話題にしたりして、咲枝の機嫌はすっかり直った。
が、私の頭の中には時折雅斗の言葉がよぎった。
恋願神社でお参りした。
願いが叶いますようにと手を合わせた。
だけど、あの場にいた誰しもが同じように気持ちを込めて願っていたはずだろうに。
私の姿は見えて咲枝の姿は見えないなんて。
それに私を通り越すような視線も忘れられない。
ふと、思った。
今日ここで出会ったのが
堀内雅斗というイタコの孫、という事も、
もしかしたら恋願神社の導きなのではないか、と。