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永遠の番い
第2章 つがい
「美香は・・・きっと俺の花嫁となる」
苦しそうに、本当に苦しそうにその言葉を絞り出した。
「私が?私が悟のたった一人の花嫁?」
「そうだ」
「でも結婚は、しないの?」
考えもせずに口から出たその言葉は
きっとものすごい勢いで、小さく笑った悟の声が
今までぴんと張っていたその空気を緩めた。
「そうだ。美香と結婚はしない」
「なんでっっ!」
「俺の一千年は・・・たぶんそろそろなんだ」
そろそ、ろ・・・?
「ああ、数えるのを忘れたが大体は覚えている。
美香は・・・25歳だっけ?」
「そうよ」
「80歳まで生きたとして、あと55年も寿命があるんだなぁ・・・」
悟が私の髪をなでる。
愛しそうに愛しそうに、髪をなでる。
「今まで一千年が長くて長くて仕方がなかったよ」
「・・・・」
「早く寿命が来ないかこの身体を呪ったよ」
「・・・・」
「こんなに、まだ生きたいと願ったのは初めてだ。
一千年生きてきて、あと50年寿命が欲しいと心の底から願う日が来るなんて
思ってもみなかった・・・」
悟が、悔しそうに笑った。
苦しそうに、本当に苦しそうにその言葉を絞り出した。
「私が?私が悟のたった一人の花嫁?」
「そうだ」
「でも結婚は、しないの?」
考えもせずに口から出たその言葉は
きっとものすごい勢いで、小さく笑った悟の声が
今までぴんと張っていたその空気を緩めた。
「そうだ。美香と結婚はしない」
「なんでっっ!」
「俺の一千年は・・・たぶんそろそろなんだ」
そろそ、ろ・・・?
「ああ、数えるのを忘れたが大体は覚えている。
美香は・・・25歳だっけ?」
「そうよ」
「80歳まで生きたとして、あと55年も寿命があるんだなぁ・・・」
悟が私の髪をなでる。
愛しそうに愛しそうに、髪をなでる。
「今まで一千年が長くて長くて仕方がなかったよ」
「・・・・」
「早く寿命が来ないかこの身体を呪ったよ」
「・・・・」
「こんなに、まだ生きたいと願ったのは初めてだ。
一千年生きてきて、あと50年寿命が欲しいと心の底から願う日が来るなんて
思ってもみなかった・・・」
悟が、悔しそうに笑った。