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ヒ ミ ツ に し よ う ね ?
第1章 瀬ノ尾まりあ

勇気が


とても真剣な眼差しで


まりあを見たから。


まりあも背筋を正して


彼の名前を


呼んだ。




「でも、お前が大人になるまで、俺はやっぱり待つことにします。俺は教師を続けたいし、お前はまだ中学生だ。卒業したって高校生なんだぞ」



勇気がそう言うと

まりあは泣きそうになる。



「付き合えないってこと?」

「そうだ」

「先生……やだ……そんなの」

「だから。この指輪をやるよ。お前が大人になるまで、俺、待ってるから」



それは


勇気の誓いの指輪


ほんとうにまりあを好きだから


出した結論。



「でも、きっと、お前が大人になる頃には、俺のことなんか忘れてるよな」



勇気は


どこか寂しそうに言った。



「わかりました」



まりあは


勇気を


見上げた。



「私、ずっと考えてたことがあるんです」


まりあは


ずっと心の中にあった


気持ちを


勇気に告げた。


私のやってみたかったこと。


ピアニストも

科学者も

小説家も

お花屋さんも


なってみたかったけど。


1番やってみたかったのは……。


「私、アイドルになります。そしたら、大人になるまで、私、他の誰の物にもならない。勇気先生のものにも。そしたらきっと先生のこと、忘れたりなんかしない。先生も、安心してくれる?」


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