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ヒ ミ ツ に し よ う ね ?
第1章 瀬ノ尾まりあ
あの日
勇気先生が見せてくれたアイドルバンド
エアラバの画像
ステージで輝く女の子達の笑顔
それが忘れられなくて。
私も
こんな風に
笑えるのかなって
思った。
笑ってみたいって……。
「……それで後悔しないか?」
「もちろん、勉強もしますよ」
「だけど……今よりは確実に成績が下がるぞ」
「平気。先生だって、浮気しないって誓ってくれたから。私も、恋以外のこと頑張るの。アイドルなら、それが絶対できるの」
そう誓いを立てた
ヒミツの恋を抱きしめた
アイドルになる。
「分かった。じゃあ今からお前を1番輝かせてくれそうな事務所に体当たりしに行こう」
「え?今からですか?」
「そうだ。善は急げだ」
そうやって
私は
スカーレットプロダクションに
連れてかれた。
こういう時
ほんとに強引な勇気先生。
アポイントもなしに。
窓口を
強行突破
「すみません!この子の担任教師なんですけど!」
「……あの困りますっ……」
「お願いします!世界一可愛い女の子なんです!ここの!エアラバのいる事務所の!アイドルにしてやって下さい!」
大声で
頭を下げる
勇気先生。
「エアラバが、どうかしましたか?」
見かねて
スタッフの人が
話し掛けてきた。
「この子、アイドル志望なんです。エアラバを見て、同じように笑ってみたいって!それで!」
「なるほど。それで?」
「それで……」
「それで?」
「…………」
「…………」
無表情な
切り裂くような
鋭い瞳。
先生は一瞬たじろいだけど
「ほら、まりあもお願いしなさい!」
私の手を繋いで
頭を下げてくれた。