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ヒ ミ ツ に し よ う ね ?
第1章 瀬ノ尾まりあ

「……先生?」

「こんな教師になりたくないから、ずっと考えないようにしてたのに」





まりあは台本とは違う台詞が返ってきたことに



どぎまぎ



慌ててしまった。



デスクの端に寄せておいたペンケースに



指をひっかけた。



カシャ



落としてしまった。



赤ペンが転がっていく。




「いつも生徒に見せる顔を忘れただろ。どうしてくれるんだ」




ドキッとして



赤ペンを拾いに逃げた。



まりあの手に



勇気の手が重なった。




「あっ……」



「手が触れただけで、そんな可愛い声だしちゃ、ダメだろ?」





まりあの手の中の


赤ペンごと奪うように


自らに引き寄せた勇気。


まだ大人に成りきらない彼女を



勇気は



きつく抱きしめた。



「こんなあどけない躰で……手で……お前はもうそんなことしてるのかよ……」

「っ……せ、先生……」

「考えるだけでソソルよ」

「……っ……」

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