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FUJITAYA
第2章 アラン模様の意味
FUJITAYAは何時まで開いているんだろう…いや、行ったって、あげる人がいないなら意味ないか。
近くの公園のベンチでホットコーヒーを飲みながら、ぼんやり時間が過ぎていくのを感じていた。
どこかで上手くいくと思っていた、その反面もう耐えられない気持ちもあった。
「…それでも、よかったのに…。好きだったのに…。」
ここちゃんに私のことがばれたらしく、もう止めてくれって言われた。
ばれたってことや、止めてくれって言葉に、ひどい抱き方をしたのはあなたなのにとか、あなたが都合の良い女にしたんじゃないとか、私が悪者みたいだとかいろんなことが頭の中で渦巻き、泣きたいような泣きたくないような感情を持て余していた。
「…お久しぶりです。」
いきなり話しかけられて驚いて見ると、FUJITAYAの男の店員だった。
「車で配達してたんですけど、行きにも同じように座ってらしたのが見えていたので…寒くないですか?」
「大丈夫です、ほっといてください」
できれば会いたくない人に会ってしまった。冷たい返事しかできなくて申し訳ない気持ちにもなったが、もうFUJITAYAにも行かない。彼に背を向けて、歩き出した。すると、腕をつかまれ、そのまま強い力で引き戻され、気付けば抱きしめられていた。