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FUJITAYA
第2章 アラン模様の意味
「…何のつもりですか!?」
抵抗してもそれ以上に強い力で閉じ込められた。
「すみません、ほっとけないので、抱きしめられといてください」
「まだ会って2回目の人に、こんなことされたくない!離して!もうあんなところ、FUJITAYAなんかに行かないから!」
「うん、いいよ。」
言葉が止まってしまった。
違う、言い方を間違えた…この人は何も悪くない…謝らないと、と思うのに、彼の胸の温もりや、背中をトントンと優しく叩いてくれているのに気付いた瞬間に、涙が流れた。
「大丈夫だよ、何も言わなくていいから。何も気にしなくていいから。大丈夫。」
言葉が止まったこと、泣いていることに何も言わず、ただただ背中がを優しく叩いてくれて、時には頭もよしよしと撫でられていて……抱きしめられた時は、あんなに拒否したのに、一回中に入ると抜け出せなくて…
この抜け出せない感覚は、成本さんの時も感じたことがる。でも、この人は出なくていいよって言われている気がする。すごく温かくて、優しくて…
なかなか涙を止めることができなくて、いつまで経ってもごめんなさいもろくに言えず、ただ彼が私にくれるこの温もりがすごく優しくて、それだけを感じながら泣いていた。