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FUJITAYA
第2章 アラン模様の意味
本当にいい大人が何をしているんだか、自分自身にあきれ果ててしまう。
私は2回しか会ったことのない男の人の胸の中で泣き疲れ眠ってしまい、気付けばFUJITAYAの店の中で彼に膝枕をしてもらっていた。
…人のことを言えない私だが、彼の行動もなかなか一般人の常識を超えている気がした。
「…起きれそう?」
私が起きたことに気付いた彼は、そう声をかけた。
「起きられなかったらこのままでいいけど、椅子の上だから…。多分起きていた方が身体楽だよ。椅子しか用意できなくてごめんね。」
「ごめんなさい…迷惑かけて…。それに、ひどいことも言いました。ごめんなさい…」
彼は笑顔で、気にしなくて大丈夫だからね、と言い、店の奥に入っていった。
FUJITAYAの店内をゆっくり見回すと、セーターや帽子、マフラー、靴下とたくさんの手作りのものが飾られていた。その一つ一つにそれぞれの温かさを感じることができ、それが手作りの良さの一つだと気づいた。