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FUJITAYA
第2章 アラン模様の意味
「一人にさせてごめんね。コーンスープ飲める?」
マグカップ2つを持って、彼が現れた。店の奥に入っていったのは、作ってくれたからだ。何か腹に入れてた方がいいと言われたが、申し訳ないと思い断ろうとする前にお腹が鳴ってしまった。彼は何も言わずただ笑顔で、隣に座って飲んでいた。
「藤田要っていうんだ。今日は好き勝手に色んな事してごめんね。」
「いえっ、ありがとうございました。私は鮫島といいます。」
FUJITAYAだから藤田さんか…そんなことを考えながら、温かいコーンスープがおいしくて、藤田さんが隣にいるにも関わらずくつろいでいた。
「鮫島さん。編み物どうなったか見せてくれる?」
私は言われたとおりに編み物セットを出そうとしたが、成本さんのことを思い出して、迷ってしまった。送る相手がいなくなったことを彼に言えば、どんな反応をするのだろう。
「鮫島さん?少しだけ話してもいい?」
藤田さんに目線を合わされ、成本さんのことを考えるのをやめた。
「鮫島さん。編み物ってね、なかなか自分のもののために編むってことはないとだ。もちろん趣味で編んでる人はまた別でさ。だいたいは何かの、誰かの贈り物にすることが多くって。その時に、相手のことを考えながら、一つ一つ編んでいくから気持ちがその編んでいるものにこもりやすいんだ。さっき、お手本とか見てたよね、どう思った?」
見られていたのかと思うと恥ずかしかったが、ここは正直に言った方がいいと思った。
「それぞれに温かさがあって、手作りだからこそ感じられるものなんだと思いました。」
「そっか、ありがとう。」
彼の少し照れたような笑顔を見て、この人といると心も温かくなると思った。
マグカップ2つを持って、彼が現れた。店の奥に入っていったのは、作ってくれたからだ。何か腹に入れてた方がいいと言われたが、申し訳ないと思い断ろうとする前にお腹が鳴ってしまった。彼は何も言わずただ笑顔で、隣に座って飲んでいた。
「藤田要っていうんだ。今日は好き勝手に色んな事してごめんね。」
「いえっ、ありがとうございました。私は鮫島といいます。」
FUJITAYAだから藤田さんか…そんなことを考えながら、温かいコーンスープがおいしくて、藤田さんが隣にいるにも関わらずくつろいでいた。
「鮫島さん。編み物どうなったか見せてくれる?」
私は言われたとおりに編み物セットを出そうとしたが、成本さんのことを思い出して、迷ってしまった。送る相手がいなくなったことを彼に言えば、どんな反応をするのだろう。
「鮫島さん?少しだけ話してもいい?」
藤田さんに目線を合わされ、成本さんのことを考えるのをやめた。
「鮫島さん。編み物ってね、なかなか自分のもののために編むってことはないとだ。もちろん趣味で編んでる人はまた別でさ。だいたいは何かの、誰かの贈り物にすることが多くって。その時に、相手のことを考えながら、一つ一つ編んでいくから気持ちがその編んでいるものにこもりやすいんだ。さっき、お手本とか見てたよね、どう思った?」
見られていたのかと思うと恥ずかしかったが、ここは正直に言った方がいいと思った。
「それぞれに温かさがあって、手作りだからこそ感じられるものなんだと思いました。」
「そっか、ありがとう。」
彼の少し照れたような笑顔を見て、この人といると心も温かくなると思った。