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FUJITAYA
第1章 マフラーのプレゼント


 いけないと分かっていて、それでも、どうしても、という相手が成本さんだった。


 成本さんは高校の同級生の婚約者で、それを知ったのはたまたま、仲の良かったグループの子が「ここちゃんね、結婚するらしいよ~。」と二人の写真を見せた。


 成本さんは本当にかっこいい。だから、見間違えるはずがない。ショックな感情と、それでも大丈夫、それでも好き、私を選んでもらいたいという感情を持ち合わせて、その日は飲めないお酒をたくさん飲んだ。



 私は、どこか婚約者って言っても親同士の約束だったり、何かしらの理由で不本意の結婚に違いないと思っていた。だから、同級生の婚約者と知っていながら、成本さんに「好きです、付き合ってください。」とちゃんと告白した。


 成本さんは、いいよって言った。セフレでよかったらって。



 
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