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FUJITAYA
第4章 好きになってしまう
「藤田さん、いつもすみません…」
「ううん、おれがしたいだけだからね」
涙も止まり、落ち着いた私は、わざわざ来てくれた藤田さんに紅茶を入れて、少しだけ話をしていた。
「藤田さんは、その、私が何で泣いてたかとか分かるんですか?」
「う~ん、何となくだけどね」
「なんか、言いたくないことだってあるだろうしさ。もちろん、言ってスッキリするならいいけど、言って余計にしんどくなることもあるでしょ?だから、鮫島さんの表情とか雰囲気見て判断してる。今日電話したのは勘が働いただけだよ。」
藤田さんは笑って、髪の毛を整えるように撫でてくれた。こういうことをされるのが嫌じゃなくて、もっと委ねたいと思ってしまうあたり、私結構好きになってるんじゃないかと考えた。