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FUJITAYA
第4章 好きになってしまう
「藤田さんと一緒にいると心が温かくなります…」
「そっか、それはよかった。…ね、今笑える?」
そんなことを言われてうまく笑える人ではないので、少しひきつった感じになってしまった。それでも藤田さんは、満足そうに頷いて、ありがとうと言い、そろそろ行くねとキッチンにマグカップを持って行った。
あまりにも早い用意と帰りに少し寂しくなって、靴を履く藤田さんの服を掴んでしまった。
「…藤田さん、ありがとうございました。来てくれて、嬉しかった…」
「じゃあ、お返しもらっていい?」
私が返事する間もなく、強く抱きしめられた。今まで優しく包むように抱きしめられていたのとはまた違うものだった。
藤田さんをいつもより意識してしまい、大きな身体から聞こえる心臓の音や、匂い、息遣いなど、今まで気にしなかったことを感じ取ってしまい、私の心臓や頭の中が大パニックを引き起こしていた。