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FUJITAYA
第4章 好きになってしまう
「…美里ちゃん?」
「え、名前…?」
「ごめんね、見るつもりなかったんだけど、色々見えてね。」
藤田さんが少し力を緩めて、名前で呼ばれるのは嫌?と聞いてきた。そういう風に聞く藤田さんはいつもズルい、そして嫌じゃないんだ。だから、少しだけ仕返しをしたい。
「FUJITAYAで待ってる。いつでもおいで。美里ちゃん」
「……要さん、いつもありがとう」
すごく緊張したけど、少し赤くなって、嬉しそうに笑う彼を見て、やっぱり好きなのかな~と思いながら、彼の後姿を見送った。
成本さんのことなんてすっかり忘れていて、藤田さんのことを考えながら眠りについた。