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FUJITAYA
第5章 送りたい相手

 少し話をした後に、大島さんがあっと何かに気付いたらしく、店の奥に入っていった。

 お客さんなのに、奥に入ったらダメでしょ…と驚いていたが、すぐに帰ってきて、驚きの発言をした。

「今日の晩御飯はグラタンだから、もうオーブンに入れとこうと思って!今日すごく寒かったもん!」


 もうその時の私の頭の中は真っ白で、血の気もサーッと引いていった。

 あぁ、大島さんはここに住んでいるんだ、ってことは要さんの彼女だよね…

 薄々気が付いていた。私には入れない協会線がこの3人の前にあって、大島さんは特別の存在なんだ。
 よかった、本当に好きと思う前で、好きかもしれないのところならまだ戻れる。


 私はどんな顔で何を言ったか分からないが、もうここにいてはいけないと思い、家に帰った。




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