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FUJITAYA
第5章 送りたい相手
家に帰った私は、要さんと大島さんのことで頭がいっぱいになっていた。
今なら戻れると思っていたけど、実際こんなに気になるなんて……
自分が嫉妬とか…やきもちを焼くとか…まだまだ大人にはなれないんだろうなと思いながら、
やっぱり、要さんのことが好きなんだ
大島さんがいたから、確信を持てるようになった…けど、本当は気付きたくなかった。
まだまだ臆病な自分がいて、要さんと大島さんのことを聞くのが怖い。
どうするかは寝てから考えよう、と考えるのをやめて布団の中に潜った。胸がまだ少しざわざわしていて、苦しくてほんのちょっと涙が出た。
数日過ぎても、私はFUJITAYAに行けずじまいで、要さんは要さんで自分はエスパーだと言っていたのにもかかわらず、私の様子には何も気付かないようで…
自分にも要さんにも苛立っていた。でも、これは私の問題で、要さんが関わっている以上、乗り越えないといけないのは自分だと言い聞かせ、FUJITAYAの道にちょっと入っては、また引き返して、次の日に昨日より進もうと思っても、また引き返す。
そんなくだらないことをしていた。