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第5章 送りたい相手

　FUJITAYAに着いた私は、店の中から出てきた要さんに気付き、２人も要さんがいることにビックリし、今までにないぐらい目を見開いて２人を見ていた。

「美里ちゃん…もしかして楓の車乗った？」

「…楓さん？」

　私は大島さんのことだと思ったが、もう一人の要さんが、加奈がどうしてもって言うから乗せてきたんだよと話し、もう私の頭の中は誰が誰かが分からなくなりパニックを引き起こしていた。

　そこで、要さんには楓さんと言うお兄さんがいること、その楓さんと加奈さんが結婚していて、子どももできたことでFUJITAYAにいることを、加奈さんのマシンガンのような速さで語られた後に、要さんが説明してくれて、、、やっと分かったところで、今度はよく分からないパーティーに参加させられた。


　とりあえず私の心配していたこと、大島さんと要さんの関係は恋人ではないということが分かり、また、楓さんには申し訳ないけれど、いつもと変わらずに優しい要さんを見ることができて、とても安心してしまっていた。
　いきなり誘われたパーティーもすごく楽しめて、温かい家族の中に入れてもらって、本当に満足だった。


加奈さんに注がれていたジュースが、本当はお酒だと気付かないぐらい、私はすっかり気を抜いていた。