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海に散る桜
第1章 海に散る桜

四月六日午前、岐阜県各務原飛行場。
「おはようございます。少尉殿、バナナはいかがですか?」
「バナナ?」
操縦席に乗り込んだ竹田に、葉山が後部座席からバナナを突き出した。 だが昨晩部隊が宿泊した旅館の食事にはバナナは出されてはいないはずだ。一体どこから持ち込んだのだろうか。
「エヘヘ、少尉殿と食べようと思って実家にあったのを一本もらってきちゃいました。あ、ちゃんと理由は言ってありますので大丈夫です」
「ありがとう。もらおうか」
竹田は子供のような葉山の行為に苦笑しつつ、半分に折ったバナナを葉山に手渡した。
戦争が始まるまでは比較的安価だったバナナは、今ではほとんど手に入らない高級品だ。まさか操縦席で食べることになるとは思わなかったが、ありがたくいただいた。ねっとりとしたバナナはちょうど食べ頃で、とても美味しかった。
「ごちそうさま。行こう」
「はい!」
竹田はエンジンを始動させた。葉山の整備した機体は快調にプロペラを回転させ離陸した。
そしてその日の午後、部隊は無事に最後の中継地点である山口県小月飛行場へ到着した。
「おはようございます。少尉殿、バナナはいかがですか?」
「バナナ?」
操縦席に乗り込んだ竹田に、葉山が後部座席からバナナを突き出した。 だが昨晩部隊が宿泊した旅館の食事にはバナナは出されてはいないはずだ。一体どこから持ち込んだのだろうか。
「エヘヘ、少尉殿と食べようと思って実家にあったのを一本もらってきちゃいました。あ、ちゃんと理由は言ってありますので大丈夫です」
「ありがとう。もらおうか」
竹田は子供のような葉山の行為に苦笑しつつ、半分に折ったバナナを葉山に手渡した。
戦争が始まるまでは比較的安価だったバナナは、今ではほとんど手に入らない高級品だ。まさか操縦席で食べることになるとは思わなかったが、ありがたくいただいた。ねっとりとしたバナナはちょうど食べ頃で、とても美味しかった。
「ごちそうさま。行こう」
「はい!」
竹田はエンジンを始動させた。葉山の整備した機体は快調にプロペラを回転させ離陸した。
そしてその日の午後、部隊は無事に最後の中継地点である山口県小月飛行場へ到着した。

