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海に散る桜
第1章 海に散る桜
 翌朝、見知った顔を兵舎で見つけ、竹田は話しかけた。

「あれ、君は確か食堂の?」
「はい。富屋食堂の娘です」

 娘はにこりと笑ってお辞儀をした。頭の動きに合わせてお下げ髪が揺れる。
 三角宿舎で寝泊まりする隊員の身の回りの世話は、知覧高等女学校の生徒が行うことになっているのだが、その中に昨日橋本と寄った食堂の娘が含まれていたのだ。
 校章にちなんで「なでしこ隊」と呼ばれた女学生たちは三角兵舎で暮らす兵士たちがやがて命を散らす特別攻撃隊隊員だということを知っており、一生懸命に世話をしてくれた。

「そうか。また今度橋本と食べに行くよ。あいつ、魚が食べたいって五月蝿いんだ」
「はい、お待ちしてます」

 橋本は富屋食堂で食べた魚の天ぷらがいたく気に入ったようで、もう一度食べたいとしきりに竹田をせっついていた。確かにあんなうまい天ぷらは、ずいぶんと久しぶりに食べた。
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