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堕天使 1st gig.
第10章 実験
くだらない勧誘だったら撃ち殺す…

そう考えた俺に不思議そうな顔でリナが

『宗司さん…。』

と俺に言う。

『んあ?』

と返事をしてから俺もリナと同じようにインターホンのモニターを確認していた。

モニターのカメラには間違いなく宗司が映っており、俺は宗司に

『どうした?』

とインターホン越しに聞いていた。宗司なら俺に用事があるならわざわざ家に来なくとも、まずは携帯を鳴らして来るのが普通だ。宗司は普通に

『お休みのところすみません。少し出れませんか?』

と聞いて来る。うちに来てうちに上がれないならリナには聞かせたくない話しだと判断した俺はリナに

『どうやら仕事だ。』

と言って家から出ていた。家を出て、宗司を見ると宗司はいつもの涼し気な顔ではなくかなり深刻な表情を浮かべていた。

『何かあったのか?』

そう聞いた俺に宗司は少し無理に笑顔を作ってから

『少し歩きませんか?』

と聞いて来る。どうやら仕事の話しではなくかなり個人的な問題らしいと判断した俺は宗司が自分から話しを切り出すまでと河川敷に向かって歩き始めていた。

宗司も俺も滅多に個人的な話しはした事がない。仕事では完全な信頼関係を保ってはいるが、それはあくまでも宗司が俺に対してそうしているからであってプライベートを宗司は俺に見せた事が一度もない。

そんな宗司がわざわざ休日中に家から俺を呼び出すとかよほどなんだろうと俺は出来るだけのんびりと河川敷を歩いていた。

真夏とはいえ河川敷は街中に比べると風が吹けばまだ涼しいと言える方だった。俺は宗司に

『さっさと秋にならんと、リナが面倒くせぇんだ。』

とたわいない話しをしていた。宗司が立ち止まり

『その…、リナさんと関係あるかわかりませんが…。』

と俺に茶封筒を差し出して来た。

宗司がリナの話し?

不思議に思いながら俺は宗司から茶封筒を受け取り中身に確認していた。茶封筒の中身は一枚の写真だ。だがその写真を見て俺は宗司に

『これは…、なんだ…?』

と聞いていた。宗司はいつもの冷静な顔で

『わかりません。』

と答えていた。
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