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堕天使 1st gig.
第10章 実験
怒りは消えないまま俺は宗司の話しを最後まで黙って聞いていた。

『父とお会いになりますか?』

自分の言葉から感じる苦痛に綺麗な顔を歪めた宗司が俺にそう言っていた。

俺はそのまま宗司の家で車に乗り、宗司の運転で宗司の実家に向かっていた。

宗司の実家とはかなり立派な和式造りの家だった。今は医療機器メーカーと並行して軍事産業にも手を広げた宗司の父親の会社は国内ではトップクラスの会社になっている。

家に入り、宗司が

『こちらです。』

と父親が待っている書斎に向かっていた。宗司が書斎の扉をノックし、扉を開け

『お連れしました。』

と書斎にいた初老の男に言っていた。宗司に似た綺麗な顔立ちの初老の男、宗司の父親、そして宗司は父親にも敬語なのかと俺はそんなくだらない事を考えていた。

宗司の父親は宗司と同じように涼し気な顔で俺に

『君が赤羽少佐だね…。』

と言って来た。俺は礼儀も挨拶もなく、間髪を入れずに

『この写真の説明をして貰えますか?』

と言っていた。俺の言葉に宗司の父親は宗司と同じ苦痛を受けたように顔を歪め

『これは、見ての通り人体実験だ。ただし被験者は全てクローンによるものだがね。』

と答えていた。

クローンだと…!?

さすがに頭の悪い俺にですらこれは世界レベルの犯罪の話しなのか?と自分が宗司親子にからかわれて騙されている気分になっていた。

だが宗司の父親は真面目に話しを続けていた。大戦が始まり、経済制裁を受けた日本政府は極秘にある実験を進めようとしていた。それは世界では認められていない人体のクローン生産だった。

軍を作り戦場に国民を送る事は国民が反対する…、だがクローンなら国民の代わりにいくらでも戦場に送り込めるのではないかと考えた結果だった。

『嘘だろ…!?』

俺はともかく宗司までもが驚愕の顔で父親を見ていた。父親は

『それだけ国が狂っていた時代だったんだ。』

と話しを続けていた。宗司の父親の会社はその実験の設備1式を用意する役目を担う事になった。

だが実験の詳しい内容までは父親も知らされないまま、実験の被検体は6体、その全てが死亡したとして実験自体は2年で終了していた。

結果として国は国民にDNA登録を推進しただけに留まり、実験自体は極秘のまま存在すらなかった事にされて10年の時が過ぎていた。
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