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堕天使 1st gig.
第10章 実験
狭い部屋でコーヒーの香りが一気に立ち込める中、俺は今わかっているだけの情報を悪い頭で考えていた。

翔なら、殺人で今は刑務所で服役中のはずだ。翔がそうやって俺の前から姿を消したのは俺が高校3年の時だった。だから、俺は軍に入り、翔とは全く接触はない。

なのに、軍は翔の事を調べていて、数少ない翔の知り合いから翔の情報を求めようとしている。

その数少ない翔の知り合いには俺が含まれているが、最近の接触がない事が情報部の五十嵐にとっては重要な事らしい…。

そうやって考える俺にコーヒーの入った紙コップと一緒に五十嵐が持っていたファイルから何枚かの写真を出して来た。五十嵐は写真を指差しながら

『この人物は坂下か?』

と聞いて来た。写真はどうやら空港や街中の監視カメラからの映像を引き伸ばした感じで、あまり鮮明ではないがある男を中心に撮影されたものだと俺にも理解出来た。

一枚目は空港の通路らしい場所を1人で歩く男、顔の輪郭はボヤけているがサングラスをしているのはわかる。

2枚目、3枚目は街中で他の男と話している写真やどこかのビルに入ろうとしている写真などで全てが同じ男を撮影したものだとはわかるが翔だと断定するには輪郭がボヤけていたり、サングラスだったりと微妙な感じだった。

だが俺の直感は翔だと感じるその写真を俺の方が逆に五十嵐に見せるようにして

『もう少し鮮明なのはないのか?』

と俺は曖昧な答えを五十嵐に言っていた。五十嵐は

『その写真を最後に行方がわからんのだ。』

と苦くて不味いコーヒーを飲んだような顔をしていた。いや…、実際にそんなコーヒーを飲んでいるのだが、その程度は日常茶飯事の俺や五十嵐がそういう顔をするという事は事はそれなりに深刻だという事だった。

『誰なんだ?』

と俺が五十嵐に聞くと五十嵐は諦めたように

『王 龍邦と名乗って日本に来た男だ。だが、ある奴がこれは坂下 翔だと言ったんだ。』

と情報の一部を俺に伝えていた。俺は

『だから、翔なら服役中だろ?』

ともう一度言っていた。
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