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堕天使 1st gig.
第10章 実験
五十嵐はいきなりダレたようにソファーの背もたれにもたれ、天井を見上げながら
『ところがなぁ…、坂下は去年の年末に仮出所で出てやがんだよ。しかも、王と名乗る奴は年明けに日本に入国してやがんだ。』
とやっと話しの核心に近づく話しを始めていた。
五十嵐はまず、翔は出所してからの消息は全くわからない状況になっている事、出国した記録などもないまま、完全な行方不明になっている事、そして翔の出所の1月後に王が入国した事などの説明から俺に始めていた。
問題は王の入国の更に2週間後、ある事務所が爆弾で吹き飛ばされたという事実があるという事だった。
『そんなのあったか?』
と俺は自分の任務を考え直してみる。五十嵐は
『テロとしては扱われていない事件なんだ。表向きはガスの爆発扱いになっとるはずだ。』
と答えて来た。
『何故だ?』
『吹き飛んだのがヤクザの事務所だったからな。』
『なんだよ、それ?』
『ヤクザの事務所が吹き飛ばされたても、普通はヤクザ同士の抗争だとしか思わんだろ?だが、そのヤクザ事務所が義侠会だと言えば、お前さんはどう思う?』
その五十嵐の質問に俺は
『どういう意味だ?』
と自分の動揺を必死に隠して聞いていた。五十嵐は
『まずは王の立場を説明すれば、お前さんが持ってる限りの情報を出す気になるか?』
と俺を見透かしたように言っていた。
『まず、お前さんが任務で取り押さえた外国籍貨物船に武器と人を積み込んだのは王が所持する会社だ。それからお前さんが任務で壊滅させた別荘を最終的にテロ組織に貸し出して武器を調達したのも、やはり王だった。』
と五十嵐が俺に言って来た。俺は
『つまり、王はテロリストという事か?』
と確認する。五十嵐は
『いや…、王はむしろ武器商人でブローカーみたいな存在だ。だが、王と取り引きしているテロ組織は軽く10は超えている。』
と答えていた。だから、情報部としては王をテロ協力者として生け捕りの為の情報集めに焦っていると俺はようやく事態を理解していた。
『ところがなぁ…、坂下は去年の年末に仮出所で出てやがんだよ。しかも、王と名乗る奴は年明けに日本に入国してやがんだ。』
とやっと話しの核心に近づく話しを始めていた。
五十嵐はまず、翔は出所してからの消息は全くわからない状況になっている事、出国した記録などもないまま、完全な行方不明になっている事、そして翔の出所の1月後に王が入国した事などの説明から俺に始めていた。
問題は王の入国の更に2週間後、ある事務所が爆弾で吹き飛ばされたという事実があるという事だった。
『そんなのあったか?』
と俺は自分の任務を考え直してみる。五十嵐は
『テロとしては扱われていない事件なんだ。表向きはガスの爆発扱いになっとるはずだ。』
と答えて来た。
『何故だ?』
『吹き飛んだのがヤクザの事務所だったからな。』
『なんだよ、それ?』
『ヤクザの事務所が吹き飛ばされたても、普通はヤクザ同士の抗争だとしか思わんだろ?だが、そのヤクザ事務所が義侠会だと言えば、お前さんはどう思う?』
その五十嵐の質問に俺は
『どういう意味だ?』
と自分の動揺を必死に隠して聞いていた。五十嵐は
『まずは王の立場を説明すれば、お前さんが持ってる限りの情報を出す気になるか?』
と俺を見透かしたように言っていた。
『まず、お前さんが任務で取り押さえた外国籍貨物船に武器と人を積み込んだのは王が所持する会社だ。それからお前さんが任務で壊滅させた別荘を最終的にテロ組織に貸し出して武器を調達したのも、やはり王だった。』
と五十嵐が俺に言って来た。俺は
『つまり、王はテロリストという事か?』
と確認する。五十嵐は
『いや…、王はむしろ武器商人でブローカーみたいな存在だ。だが、王と取り引きしているテロ組織は軽く10は超えている。』
と答えていた。だから、情報部としては王をテロ協力者として生け捕りの為の情報集めに焦っていると俺はようやく事態を理解していた。