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第11章 亡霊

その直後だった。

『作戦開始！』

と大将からの合図の無線が入り、倉庫以外は暗闇だった工場跡地は軍のサーチライトに照らされて昼間のように明るくなっていた。

工場跡地の入り口やフェンス付近に居た見張りのテロは狙撃手に倒され、俺は

『突入だ。』

と無線に指示を出し、マシンガンを構えて倉庫に向かっていた。倉庫の入り口を見張って居たテロはハヤトに狙撃され、いち早く倉庫の入り口に辿り着いた隊員に扉が大きく開けられた。

中から反撃が来る前にと俺や宗司、雄太や涼宮が倉庫の壁に身を隠しながら倉庫の開いた扉の中に向けて一斉射撃を行っていた。他のβやγの隊員達も俺達と同じように扉の中に向けて射撃する。

中は間違いなく蜂の巣状況になっており、俺は弾倉の弾薬が切れる瞬間に

『撃ち方止め！』

と無線に命令を出していた。だだっ広い倉庫の中は煙が上がり、火薬の匂いで充満している状況だった。

徐々に煙が収まり、中からの反撃の意思がない感覚に俺達はゆっくりとマシンガンの弾倉を入れ替えながら倉庫の中へと入っていた。

そこら中に死体と呻く怪我人、無傷の奴は倉庫の隅や弾除けに使った机の下には頭を抱え、軍の突然の襲撃に怯えるテロがかろうじて２人ほど居た程度だった。

簡単に辺りを調べると、雄太が

『ＰＣも蜂の巣だけど、五十嵐隊長が怒るかな？』

と俺に聞いて来る。俺は

『知らねぇ…、壊れちまったもんは仕方ねぇだろ？』

と開き直っていた。ざっと見て周り、危険な銃火器などだけは１箇所に集めさせ、俺は大隊に制圧完了の無線を入れようとした時、ロケットランチャーの図面らしき紙切れと混ざった一枚の写真を見つけていた。

俺は宗司が拘束具をはめていた机の下に居た無傷のテロの胸ぐらを掴み

『こいつは誰だ？』

と叫びながら写真に写った男の事を聞いていた。宗司は俺を止めようとしたが、俺は宗司を引きずったままアジア系のその男の首が絞まるくらいに持ち上げて

『誰だと俺は聞いてるんだ！』

と脅していた。大隊が到着し、俺の状況に何事かと聞いていたが俺はなりふり構わず聞いていた。