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堕天使 1st gig.
第11章 亡霊
翔にしか解けないなぞなぞの問題を突きつけられた気分で俺は自分を見失いそうになるのを堪えるのに必死だった。

今の俺には宗司達が居る…、リナが居るから俺は自分を見失う訳にはいかないんだ!

そう、亡霊のように感じる翔に叫びたい気分のまま俺は本部に帰っていた。本部に着く頃には夜が明けて、いつも通りに書類仕事を片付けてから俺は軍に出す報告書にも五十嵐にも写真の事は報告せずに家に帰っていた。

家に着くとリナがテーブルに頭を伏せて眠っていた。

『お前…、こんな所で寝たのか?』

風邪ひくぞ…

そう言ってリナの頭に手を乗せた瞬間、俺は狼狽えていた。俺の手にリナから発せられた異常な熱が伝わって来たからだ。

『リナ!?』

焦ってリナの顔を俺の方に向けさせようとすると、薄らと目を開けたリナが

『あるほ…、おはえり…。』

と酔っ払いみたいに呂律が回らない言葉を発していた。

『すぐに病院に行くぞ!』

そう言って俺はリナを毛布に包んで車まで抱えていた。

『らいしょーぅ(大丈夫)、ひょーいん(病院)…、ううへはら(夕べから)…、ふあふあ(フワフワ)…、ひて(して)…。』

と虚ろな目で宇宙語を話すリナに俺は怯えていた。頭ではリナは普通の女だと割り切ったつもりだが、宗司に見せられたリナに良く似たクローン実験の写真を思い出し、俺はリナには普通とは違う部分があって、それが原因でリナを失うんじゃないかと心のどこかでずっと怯えていた。

また、誰かを失うのか…?

そんな恐怖を抱えながら、俺は軍人病院に向かっていた。病院の前に車を横付けするなり俺はIDを警備兵に見せ

『急患だ!』

とだけ叫んでいた。今の時間帯は一般外来も受け付けている時間だが、軍人病院である以上、軍人とその家族や関係者なら優先で診察と治療が受けられる。

『すぐに手配します。』

と警備兵が病院の中へと走る後ろを追うように俺は毛布に巻かれ芋虫のようになったリナを肩に抱えて病院内に入っていた。

警備兵が受け付けに緊急手配をしているのだが、これがなかなか上手く進まない。
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