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堕天使 1st gig.
第12章 クリスマス
キラキラと蒼い瞳を輝かせるリナは下手な宝石より綺麗なんだとか俺は思っていた。
『お前は綺麗だから何付けても似合う。』
そう言った俺にリナは
『アルトがくれたものだから、似合わないと困る。』
と言っていた。昼過ぎまでリナと軽く寝てから外で飯を食って、スーパーやケーキ屋に買い物に出掛けた。
鍋に野菜と肉を入れるだけで鍋が食える出汁を買い、鍋に入りそうなものをリナと考える。
『豆腐はいるだろ?』
『キャベツは?』
『あの緑の野菜ってキャベツなのか?』
2人ともよくわからず、リナが携帯端末を調べて
『野菜は白菜とネギらしいよ…。』
と言って野菜を買い直す。昨日までの売れ残りっぽいチキンも買って、ケーキ屋でリナの分だけの小さなチョコレートケーキを買っていた。
ケーキ屋を先に出た俺の前を通り過ぎた人間に俺はぶつかりかけてから固まっていた。
『Sorry….』
そう言って俺の前から立ち去ろうとした男に俺は
『翔!』
と叫んでいた。男は一瞬、驚愕するような顔になり、俺に
『Who're you?』
と呟くように言ってから、横の道を通りかかったタクシーを止めてタクシーに乗り込んでいた。俺の事を全く知らない人間のように見る翔と同じ顔の男に俺は
『待て!』
と言ったが既にタクシーは走り出していた。無理矢理に呼び止めても軍人には逮捕権も何もない。不安な顔のリナが
『アルト?』
と俺の腕を掴んで来たが俺は
『クソッ!』
と五十嵐に携帯端末で電話をかけていた。今日は五十嵐も休暇中のはずだ。だが、俺が軍に電話して緊急検問を要請するよりも、五十嵐が動く方が早いと俺は判断していた。
『なんだ?珍しい…。』
と呑気に五十嵐が電話に出た瞬間、俺は
『王がこの街に居る!すぐに非常線の緊急手配をかけろ!』
と叫んでいた。五十嵐は
『すぐにやる。』
と電話を切っていた。ただ、リナが
『アルト!』
と不安気な顔で叫んでいた。俺が今すぐにでも仕事に戻るんじゃないかと、リナは不安でたまらないらしい。リナの蒼い瞳には今にも零れ落ちそうな涙が浮かんでいた。
『お前は綺麗だから何付けても似合う。』
そう言った俺にリナは
『アルトがくれたものだから、似合わないと困る。』
と言っていた。昼過ぎまでリナと軽く寝てから外で飯を食って、スーパーやケーキ屋に買い物に出掛けた。
鍋に野菜と肉を入れるだけで鍋が食える出汁を買い、鍋に入りそうなものをリナと考える。
『豆腐はいるだろ?』
『キャベツは?』
『あの緑の野菜ってキャベツなのか?』
2人ともよくわからず、リナが携帯端末を調べて
『野菜は白菜とネギらしいよ…。』
と言って野菜を買い直す。昨日までの売れ残りっぽいチキンも買って、ケーキ屋でリナの分だけの小さなチョコレートケーキを買っていた。
ケーキ屋を先に出た俺の前を通り過ぎた人間に俺はぶつかりかけてから固まっていた。
『Sorry….』
そう言って俺の前から立ち去ろうとした男に俺は
『翔!』
と叫んでいた。男は一瞬、驚愕するような顔になり、俺に
『Who're you?』
と呟くように言ってから、横の道を通りかかったタクシーを止めてタクシーに乗り込んでいた。俺の事を全く知らない人間のように見る翔と同じ顔の男に俺は
『待て!』
と言ったが既にタクシーは走り出していた。無理矢理に呼び止めても軍人には逮捕権も何もない。不安な顔のリナが
『アルト?』
と俺の腕を掴んで来たが俺は
『クソッ!』
と五十嵐に携帯端末で電話をかけていた。今日は五十嵐も休暇中のはずだ。だが、俺が軍に電話して緊急検問を要請するよりも、五十嵐が動く方が早いと俺は判断していた。
『なんだ?珍しい…。』
と呑気に五十嵐が電話に出た瞬間、俺は
『王がこの街に居る!すぐに非常線の緊急手配をかけろ!』
と叫んでいた。五十嵐は
『すぐにやる。』
と電話を切っていた。ただ、リナが
『アルト!』
と不安気な顔で叫んでいた。俺が今すぐにでも仕事に戻るんじゃないかと、リナは不安でたまらないらしい。リナの蒼い瞳には今にも零れ落ちそうな涙が浮かんでいた。