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堕天使 1st gig.
第13章 5日テロ
東北では、そこそこ立派な家で2件目の自爆犯にされた男の妻が俺達を待っていた。俺達はやはりリビングに通され妻がお茶を出して来た。

リビングのサイドボードには家族で幸せそうに写る写真が飾ってあった。1件目と同じように

『主人は優しい主人でした。』

と言う妻に涼宮が

『事件当日は娘さんは?』

と聞いていた。今、高校生の娘はやはり今は学校を休み、妻の実家に避難中だった。妻は

『娘には何も関係ありません。娘だって今回の事は傷ついているんです。これ以上はお話しする事はありません。』

と子供についての情報は頑なに拒否された。

これ以上は無駄だと判断して俺は本部に帰り、今日の内容を涼宮と報告書にまとめてから五十嵐に出していた。五十嵐は食堂で夕飯を食おうと言い、俺と涼宮は五十嵐と食堂で夕飯を食っていた。

『結局、推測の域からは出なかった。』

そう言った俺に五十嵐は

『だが、子供達は保護出来る。二次被害を防げるだけでも一歩前進だ。』

と言っていた。家に帰ると毎日のようにニュースで

『軍は結局、役立たずだ。』

というテレビを見続けているリナが俺に

『また起きるの?』

と不安な顔で聞いて来る。俺は

『機密は言えない。』

としか答えてやれなかった。自爆犯が被害者だとわかってもその先の情報がわからないから次の自爆が防げない。つまり、後3日後にはまた起きる。

誰が何の目的で被害者達を利用しているのか?

それすらわからないまま俺はリナの不安にすら答えてやれなかった。リナだけは軍がやるべき事はやっていると信じているから、テレビで軍が批判を受けるのが悔しいらしい。

『アルトはテロになんかに負けない。』

と俺に笑って言っていた。

2日ほどして、今度は俺と宗司が五十嵐に連れられて軍の上層部の呼び出しに向かっていた。

『なんなんだ?』

と不機嫌になる俺に

『お前さんは絶対に黙ってろ。篠原だけが理解すればそれでいいんだ。』

と言っていた。上層部のお偉方の前で俺がキレたら困る話しらしいとは頭の悪い俺にでも理解が出来た。
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