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堕天使 1st gig.
第2章 仕事
そうやって居直る俺に宗司はため息をつきながら

『今年はものになる訓練兵は居ますでしょうか?』

と聞いて来た。約20名の指揮官候補生の中から対テロ特殊部隊で使える兵士を育てるのも俺の任務の一つだが、俺の3年目の教官歴の中で前の2年は対テロ特殊部隊で使えそうな奴が居なかった。

今年はいよいよ3年目になる以上、上層部は新人の育成を俺に対して、やたらとせっついて来ているのは事実だった。

だが、いくらエリートでも所詮、訓練兵は訓練兵。実戦経験のない訓練兵に対テロ特殊部隊はかなり厳しい任務である以上、俺はふてくされて宗司に

『そんな簡単に見つかるわけねぇよ。』

と答えていた。そのまま俺はロッカールームに再び戻り、制服からいつもの戦闘服へと着替えると、やっと気分が落ち着いていた。服装一つで落ち着いたガキの俺に宗司は呆れるように

『ちょっと早めですが昼食を取りましょう。どうせ、夕べからろくに食べてないんでしょ?』

と言って来る。俺は宗司に

『お前、本当に口うるさいな。』

と思わず言ってしまうのだが、宗司はそれがどうしたと言わんばかりにいつもの涼し気な顔になり

『僕は貴方のバディ(女房)ですから。』

と澄まして答えていた。これは宗司の口癖のようなものだ。初めて俺とバディを組んだ時からことある事に俺は宗司からそう言われている。

俺は基本、キャリア嫌いな人間で気に入らなければ戦場のど真ん中でもキャリアの上官を殴り飛ばすというとんでもないはみ出し者だ。お陰で軍では「跳ねっ返り」という要らないあだ名を貰うような人間だ。

そのはみ出し者である俺に何故か宗司はわざわざ俺のバディを志願して俺の身の回りを至れり尽くせりでやってくれる。その為、1課の情報部の女子隊員からは俺と宗司は変な妄想のオカズになっているらしい。

俺とは違い、宗司はうちの部隊では珍しい、いい家庭の育ちだ。かなり頭のいい医大にまで進んだくせに、わざわざキャリアの道を外れ、大学中退で軍に志願した変わり者が宗司だった。

だから宗司の年齢は俺の一つ上なのだが、大戦時に同じ階級、同じ立場にも関わらず、宗司はずっと俺に対して敬語を使い続け、常に上官より俺の指示にだけ従い、今も当たり前のように俺の副官として俺の隣に必ずいる。
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