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堕天使 1st gig.
第2章 仕事
ある意味、キャリアではない俺が軍内でキャリア並に出世したのは宗司がいるからだと言っても過言ではなかった。
だからというわけじゃないが俺は生活面ではとにかく宗司の言いなりだ。今は宗司が飯を食えと俺に言うから俺は今度は食堂へと向かっていた。
軍の食堂は任務の性質上、ほぼ24時間使えるようになっている。大した飯はないのだが俺は食うものは食えれば良いし、着るものも着れれば構わないという性格だ。
要するに俺は日常には全く関心がないタイプの人間だった。施設上がりは大概皆がそんな感じだが、俺はそれが特に酷い方だった。
だから髪などは任務の邪魔にならない限り、切らずに伸び放題の時もあり、年に何度か無理矢理に宗司に床屋へと連れて行かれるほど、日常って奴にはとことん無頓着な俺だった。
宗司と向かった食堂はまだ昼前だから人はまばらで結構席が空いていた。俺が適当に空いている席に座ると宗司が
『いつもの日替わりでいいですね?』
と自分の分と俺の分の飯を取りに行ってくれる。生活に無頓着な俺はそうやって何でもかんでも宗司任せだった。
俺が飯を食い終わる頃、大概は皆がはみ出し者の俺を避けるのに、わざわざ俺の前に座って俺に話しかけて来る奴がいた。
『夜中に性病で病院に行ったらしいな?』
そういう馬鹿な事を平然と俺に言えるのは情報部1課の隊長である五十嵐 一真少佐だ。五十嵐は俺と同じ階級だが、1課である以上、2課の俺の上官の扱いになる男だ。
しかも五十嵐はキャリアだ。それでも俺は何故か五十嵐は嫌いではない。俺よりもデカい体格に、かなり厳つい熊みたいな顔の男で、剛腕豪傑で知られる五十嵐は大戦時は常に前線に出るタイプの兵士だった。
現在の訓練学校でのキャリアでなくとも指揮官になれる為の特別訓練カリキュラムを軍に進言したのも五十嵐自身だ。五十嵐は
『実戦で役立たずのキャリア10人より、実戦で役に立つ一般兵士1人の命の方が重い。』
と上層部に言い切った人だった。そんな五十嵐だから五十嵐はやはり軍でははみ出し者扱いのキャリアだ。そして馬鹿を言った五十嵐に俺は
『情報部がいい加減な情報を流すな。』
とだけ言ってやる。五十嵐は笑って
『なら、なんでわざわざ夜中に病院なんぞに出動したんだ?』
と自分の好奇心を俺に剥き出していた。
だからというわけじゃないが俺は生活面ではとにかく宗司の言いなりだ。今は宗司が飯を食えと俺に言うから俺は今度は食堂へと向かっていた。
軍の食堂は任務の性質上、ほぼ24時間使えるようになっている。大した飯はないのだが俺は食うものは食えれば良いし、着るものも着れれば構わないという性格だ。
要するに俺は日常には全く関心がないタイプの人間だった。施設上がりは大概皆がそんな感じだが、俺はそれが特に酷い方だった。
だから髪などは任務の邪魔にならない限り、切らずに伸び放題の時もあり、年に何度か無理矢理に宗司に床屋へと連れて行かれるほど、日常って奴にはとことん無頓着な俺だった。
宗司と向かった食堂はまだ昼前だから人はまばらで結構席が空いていた。俺が適当に空いている席に座ると宗司が
『いつもの日替わりでいいですね?』
と自分の分と俺の分の飯を取りに行ってくれる。生活に無頓着な俺はそうやって何でもかんでも宗司任せだった。
俺が飯を食い終わる頃、大概は皆がはみ出し者の俺を避けるのに、わざわざ俺の前に座って俺に話しかけて来る奴がいた。
『夜中に性病で病院に行ったらしいな?』
そういう馬鹿な事を平然と俺に言えるのは情報部1課の隊長である五十嵐 一真少佐だ。五十嵐は俺と同じ階級だが、1課である以上、2課の俺の上官の扱いになる男だ。
しかも五十嵐はキャリアだ。それでも俺は何故か五十嵐は嫌いではない。俺よりもデカい体格に、かなり厳つい熊みたいな顔の男で、剛腕豪傑で知られる五十嵐は大戦時は常に前線に出るタイプの兵士だった。
現在の訓練学校でのキャリアでなくとも指揮官になれる為の特別訓練カリキュラムを軍に進言したのも五十嵐自身だ。五十嵐は
『実戦で役立たずのキャリア10人より、実戦で役に立つ一般兵士1人の命の方が重い。』
と上層部に言い切った人だった。そんな五十嵐だから五十嵐はやはり軍でははみ出し者扱いのキャリアだ。そして馬鹿を言った五十嵐に俺は
『情報部がいい加減な情報を流すな。』
とだけ言ってやる。五十嵐は笑って
『なら、なんでわざわざ夜中に病院なんぞに出動したんだ?』
と自分の好奇心を俺に剥き出していた。