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堕天使 1st gig.
第16章 拒否
そこを五十嵐や宗司に知られると、話しがまたややこしくなりそうだと感じる俺は

『とにかく、あいつとは関わりたくねぇから、仕事以外の接触はお断りだ。』

と俺は言っていた。宗司は俺の言葉に納得したのか、それ以上を聞こうとはしなかった。五十嵐も仕事があるからと俺達よりも先に食堂を出ていた。

家ではリナは相変わらずで

『アルト、いい加減にパンツ買い替えないと穴が開きかけてるよ!』

と俺に母親のように叫んでいた。俺の着る物は全て軍の販売品だから、基地に入れないリナには買いに行けない状況だ。

リナは俺の保護下で俺の女だが、家族ではない以上、基地に入る事は許されない。

『お前が買いに行けたら楽なのに…。』

と言う俺にリナは

『だったら、市販のパンツで我慢する?』

と言って来る。俺はため息をついて

『自分で買って来る。』

と答えていた。

訓練学校では、毎年恒例の振り分けを俺はやっていた。今年は去年よりも酷い状況で、俺がグランドに集合を言って5分以内に出て来た奴は僅か3名だけだった。

その3名ですら、俺が訓練メニューを言った途端に今更そんな訓練かと露骨に嫌な顔を向けて来た。挙げ句にサポートである瑠衣が俺に

『今更、彼らにそんな訓練をさせる意味とかあるのかしら?』

と言って来る。俺は瑠衣に

『黙って周回数の記録だけ付けてろ。』

と言うが瑠衣は

『でも…。』

と反抗する。俺は瑠衣に

『命令だ。従う気がないならサポートを変えて貰うだけだ。』

と言っていた。瑠衣は口を閉じ、ダラダラと走る訓練兵を眺め続けるだけだった。

そんな状況が一週間ほど続いた深夜に俺の携帯端末が凄まじいアラート音を鳴り響かせた。

ベッドから飛び出した俺にリナが不安そうに

『アルト…。』

と言っていた。俺はリナの頬にキスだけして

『留守は頼む。』

と言ってから戦闘服の上着を掴んで家を飛び出していた。車を飛ばし、本部に入り2課の部屋で

『状況報告!』

と俺が叫ぶと、宗司が1課からの情報を確認しながら

『国道沿いのファミレスに爆発物を所持した自爆犯が出現した模様、客と従業員の十数名が現在、人質になっています。』

と答えて来た。
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