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堕天使 1st gig.
第16章 拒否
2度目の瑠衣の驚愕した顔だった。瑠衣は少し大人びていて、学校じゃ美人と言われる女だった。その綺麗な顔が俺の言葉にいちいち歪むのが俺は面白いと感じていた。

その日は瑠衣は黙って帰って行った。だが、翌日、瑠衣は新しいノートを俺に持って来た。

『恵んでもらう気はねぇよ。』

そう言った俺に瑠衣は

『たかがノート一冊で情けとかかけるつもりはないわ。高校に行きたいんでしょう?』

と言って俺の前に座り、塾で既に瑠衣が使い終わった問題が載ったプリントを俺に出して来た。

俺はそのまま瑠衣が拒否出来ずに、何故か瑠衣に勉強を教わり、底辺だったがかろうじて高校に入っていた。

中学を卒業する日、瑠衣が俺に

『せっかく高校に入ったんだから、どこかに遊びに行こうよ。』

と言い出した。俺は瑠衣に

『遊ぶ金なんかねぇよ。』

と拒否したが瑠衣は

『公園ならお金なんか必要ないでしょう?』

とまたしても俺の拒否を封じていた。そうやって俺は時々、一方的に瑠衣に呼び出され、ただ瑠衣と会うだけの関係になっていた。

その頃の瑠衣は既に大学進学率の高い進学校に行っていたから俺みたいな底辺の奴と居るべきじゃないと思っていたが瑠衣は何故か俺を呼び出していた。

そうやって過去の瑠衣の事を思い出していた俺に食堂で五十嵐が

『久々に壊滅任務やって貰うぞ。』

と言っていた。この前の緊急が発生した状況から、これ以上テロを活発化させない為の壊滅作戦を軍が決定したのだった。

『少しは状況が変わればいいがな。』

と俺は五十嵐に言っていた。五十嵐は

『被害は最小限…、それが軍のやり方だ。』

と俺を諭すように言っていた。2、3日すると五十嵐の予告通りに任務司令書が俺に回って来ていた。

明後日の深夜、場所は街外れの廃墟ビル、作戦決行は深夜、規模は大隊規模でやはりお馴染みの大将が指揮官だ。俺は雄太に

『お前のハンデに大地を付けてやる。』

と言ってやる。雄太は

『マジっすか!?なら、今回はカウント賭けないっすよ。』

と嫌な顔をしていた。
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