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堕天使 1st gig.
第17章 女王様
別に、放っておいてもよかったのだが、瑠衣がずっと俺を見ていて、俺はただ落ち着かずに親父さんに

『すみません、知り合いなんです。だから、送って来ます。』

と席を立っていた。親父さんは普通に笑って

『行っておいで。』

と言ってくれた。俺はしこたま呑まされている瑠衣の腕を掴んで

『帰るぞ。』

と言っていた。瑠衣に呑ませていた男が俺に

『アンタ誰?』

とか言って来たが俺は瑠衣を店の外に引きずり出していた。優等生でお嬢様の瑠衣が安っぽい居酒屋でへべれけにされているのが俺はなんとなく嫌だっただけだった。

店の外で俺が瑠衣に

『家の場所は前のままか?送ってやる。』

と言うと瑠衣は

『酔ってるから帰れない。帰ったら叱られる。』

と泣き出していた。仕方なく俺は近くのビジネスホテルに瑠衣を連れて行っていた。安っぽいラブホテルはお嬢様の瑠衣が嫌がるかと思っただけだった。

ホテルの部屋で俺は瑠衣に

『酔いが覚めたら帰れよ。俺は帰るから。』

と言ったが瑠衣は

『1人にしないでよ!』

と叫んでいた。そこから瑠衣はひたすら泣いて愚痴を言うばかりだった。内容は自分が思い描いていた未来と違うとかなんとか…。

中学の時から教師になる夢を瑠衣は持っていて、大学に行き教員免許を取るのに実習だなんだで瑠衣の夢とはかけ離れてると感じたらしい。

俺は泣き喚く瑠衣に

『現実なんてそんなもんだろ?』

と言っていた。泣き喚くだけ喚いた瑠衣は少し落ち着いたらしく

『アルトは恋人とか居るの?』

と聞いて来た。俺は瑠衣に

『戦場にそんなもん居ねぇよ。』

と言っていた。実際、大戦中に軍の女に

『処女のままで死ぬのはお断りよ。』

と平気で言う変わった女から付き合ってくれと言われ3ヵ月程度は付き合ったが、すぐに別れるのが俺だった。そうやって女に不自由しない程度に寝るだけの女を何人か付き合ったがどれも3ヵ月以上はもたなかった。

瑠衣は

『だったら私と付き合ってよ。』

と言い出した。
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