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堕天使 1st gig.
第2章 仕事
何事に対しても無関心、無頓着、そういう俺が当たり前なんだと改めて言われたような気がした。だけど2課で改めて雄太やハヤトを見ていると、やはり俺はリナの事を考えてしまうのだった。

2課は施設から手っ取り早く逃げ出す手段に軍を選んだ連中ばかりで、施設で死んだような生活をするくらいなら本物の命の駆け引きを選ぶ方がマシだと軍人になった連中ばかりだ。

リナに…、あの子供みたいなリナに…、施設でそんな思いをさせるのか?

それを考えるのが俺は心底嫌になっていた。宗司が慰めるように俺に

『たまには無関心じゃない方がいいんですよ。』

と言って笑っていた。それから夕方までは何事もなく、俺は苦手な書類仕事を片付けていた。

8割方は宗司が処理してくれていたが、俺がやらなければならない書類がある以上、それを無視するわけにはいかなかった。

一応勤務時間が終わる頃に俺は宗司に

『寝不足だから、今日は早めに帰るよ。』

と言っていた。いつもなら俺は雄太達と食堂で夕飯を食ってから帰るのだが、今日はそんな気分にすらならなかった。宗司は俺に

『今夜は間違いなくちゃんと寝て下さい。』

とだけ言い、俺は苦手な書類仕事を終わらせて本部から出ていた。

車に乗り込み、いつものように軍の基地を出る。真っ直ぐ走れば俺は家に帰るだけだが、左に曲がればすぐにリナが居る病院だ。

俺は医者に何事もなければ夕方に行くと言ってしまっていた。そして今日は本当に平和で何事もなかった。

クソッタレ!

俺は何故かヤケクソでハンドルを左に切り、俺の車はリナが居る病院へと向かっていた。

病院に入ってリナの病室の手前で俺は夕べの医者と出会っていた。俺に向かって笑顔を作った医者に俺はそれが当たり前のように

『どうなった?』

と聞いていた。俺がそれを聞けば後戻り出来なくなるのは自分自身でわかっていた。俺の質問に対し医者の笑顔が消え厳しい表情で医者は俺に

『やはりアンノウンです。』

とだけ答えて来た。諦めたように俺が

『しばらく、あの子と2人にしてくれ。』

と言うと医者は

『ちゃんと夕食を食べてくれれば良いのですが…。後で診察に伺います。』

と言って俺の前から立ち去っていた。
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