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第18章 結婚

１年の訓練を終えた瑠衣は記録保管の仕事を希望し、その希望は簡単に叶う事になっていた。

記録保管になればある程度の軍の情報を閲覧出来るようになり、そこで初めて瑠衣は山内の戦死を知る事になった。

『ほとんどの書類は機密レベルが高くて見れなかったけど、アルトの個人的な報告書は見れたわ。貴方が山内を殺したと、だから全ての責任は貴方にあると自分で言っている報告書を書いたのよね。』

そう静かに瑠衣が言った。別に俺を責める口調ではなかったが俺は

『その通りだ。山内の件は俺の判断ミスだからな。』

と答えていた。それから俺は

『それを知ってどうするつもりだ？俺に何をさせたいんだ？』

と聞いていた。瑠衣は

『今の彼女、アルトはちゃんと愛してるの？』

と聞いて来た。俺は

『ああ、だが、山内の事にリナは関係ない。アイツだけは傷つける事は認めない。』

と答えていた。瑠衣はクスクスと笑い出し

『私ね、来月、結婚するの。』

と言い出した。

『んあ？』

『確かめたかったのよ。私は貴方に愛されなかった。山内も私に何も言わないで突然消えてしまった。そんな私と結婚したいって男と私は結婚して大丈夫なのか、アルトと話して確かめたかったのよ。』

と穏やかな顔で言っていた。

なんなんだよ…

と俺は思っていた。俺は瑠衣に

『そんな事俺に確かめても仕方ないだろ？結婚する奴に自分で確かめろよ。』

と言ってやる。焼き鳥屋にいた男が瑠衣の婚約者だと俺は思ったからだった。だが、瑠衣は

『だって、ずっと好きだったのよ。中学に入学してからずっとアルトが好きだったの。でも、アルトは全く私を見てくれなかった。やっと付き合っても私を愛してくれなかった。』

と10年分の愚痴を俺にぶつけていた。俺は瑠衣に

『悪かった。だけど、少しはお前を好きだったし、愛していたと思うぞ。』

と言っていた。瑠衣は

『あの可愛い彼女に謝っておいてね。ここまでしないとアルトが私からずっと逃げそうだったから。』

と笑っていた。瑠衣は結婚して、今期のサポートを最後に軍を退役すると言って帰っていた。