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堕天使 1st gig.
第19章 負傷
その程度の俺の八つ当たりに慣れている宗司は

『リナさんの軍の手続きは済みましたから、後で書類を確認しておいて下さいね。』

とため息をつき、苛立つ俺の為にコーヒーを入れていた。

離婚したら宗司の手続きは無駄になる…

そんな馬鹿な事を考えて俺は自分勝手にイラついてしまう。イベント好きのリナの気持ちはわからない訳じゃないが、そもそも俺がそういう男で、それでも構わないと言ったリナだったはずだ。

それを今更責められても、俺にはどうしようもなく、ただ嫌いな雨にイラつく事しか出来ないままだった。

俺にどうしろって言うんだよ…

そうやってイラついていても俺はやはりリナが好きで今の状況をどうにかしたいと考えてしまう。コーヒーを入れた宗司が

『雨が嫌いなのはわかってますが、今夜の任務の為に身体は休めて下さい。』

と言って来るから俺はコーヒーを飲みながら、自分のデスクにあった任務司令書を確認した。

『こんな物騒なもんを…、一体どこから持ち込みやがるんだ?』

そう言った俺にいつもの涼し気な顔で宗司が

『蛇の道は蛇って奴です。』

と言っていた。

小型対人ミサイル…、いわゆるロケットランチャーという奴だ。軍事仕様のロケットランチャーが何故かテロの手に渡り、それが持ち込まれたという情報から、緊急に近い形で今夜の任務が軍で決定されたのだ。

場所は港の外れの倉庫街、その倉庫の1つにそれがあるから俺達が回収に行くという作戦だ。

任務は嫌いじゃない。だが、雨という条件に俺はイライラが募っていく。宗司が

『昼休みが終わったら仮眠して下さい。』

と苛立つ俺から離れていた。雨の間はほとんどの隊員が俺には近寄らない。

俺の雨嫌いを知らずに大地が迂闊に近寄り、慌てて小雪が大地を連れて行く事があったが、後は皆がいつもの事だと俺を見ているだけだった。

だから、リナだって…、結婚式が出来ないとかいつもの事だと思ってくれると俺は思っていたが、それは結局は俺のエゴだ。

わかっていても何も出来ず、俺はイラついているばかりの毎日だった。
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