パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第20章 花火

俺は普通に

『当然の要請だ。目標(ターゲット)のホテルにランチャーぶち込まれても誰も文句を言わないなら、2000でやればいい。』

と答えてやる。五十嵐がニヤニヤと笑いながら

『射程外までは警護不可能だからな。』

と答えていた。会場は一気に静まり、司会は

『でしたら、封鎖エリアを３kmで想定した場合での各部所の警護プランを後日改めて提出の方をお願い致します。』

とこの場を収めていた。

帰りの車では五十嵐が

『お前さん、やはり発言するなら篠原に任せろや。』

と俺に言って来た。俺は

『色々と考えてたから、宗司に言ってる暇なかったんだ。』

と言い返すが宗司は

『そもそも隊長殿の場合、こういう時は五十嵐隊長に任せておけばいいんですよ。』

とまで言って来る。頭の悪い末っ子が出来の良い兄２人に叱られる図をひたすら岩本が笑いを堪えて見ている状況だった。

笑われようがなんだろうが俺は俺のやり方でしか仕事が出来ない不器用な人間だ。ふてくされる俺に五十嵐が

『いくつになってもお前さんは変わらないな。』

と呆れたように言っていた。

その日の深夜にいつものように眠っていた俺の隣からリナが突然飛び起きるとベッドから飛び出して台所に向かっていた。

なんなんだ？

寝ぼけた頭でそう俺が思った瞬間

『ゔぇぇ…。』

とリナが嘔吐く声がしていた。

『リナ！？』

と俺もベッドから飛び出し、台所に向かうと冷蔵庫から出したミネラルウォーターを飲みながら青白い顔をしたリナが

『ごめん、起こしちゃった。』

と言っていた。

『吐いたのか？』

『うん…、夏バテかなぁ？』

意外とリナはケロリとしていたが落ち着かない俺はリナを抱えてベッドに入れてから

『明日、病院に行って来い。』

と言っていた。病院があまり好きではないリナは

『大袈裟だよ…。』

と言ったがとにかく検査だけはして来いと俺は顔色があまり良くないリナに言い含めていた。

サミットの警護で俺は多少留守が増える状況だったからリナの体調に少し俺は神経質になってしまっていた。