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第22章 後悔

とりあえず、今のうちの冷蔵庫は小雪と彩華さんからの差し入れで馬鹿みたいに液体が詰め込まれているから４日間はリナが飲むには困らない状況だ。

子供の為に２人でなんとかすべき問題だとは理解した俺だったが、未だに帰る約束なんかリナに出来ない俺だから、結局、リナ１人になにかと背負わせている状況だ。

何もしてやれず、何も言ってやれず、ただリナを抱えてやる事しか出来ないまま、翌朝は仕事の為に俺は家を出ていた。

今回はサミットの為の大規模移動になっている。うちの小隊は全員出動で、珍しく五十嵐の情報部も半分が出動する。

市兵からは２個師団が出動し、普段は軍人などほとんど見かけない田舎街が警察と軍人で溢れる状況になっていた。

観光客の出入りも禁じて、旅館やホテルも軍と警察で貸し切り状態の中、俺達はまずはサミット用に設置された本部で登録をする。

まだサミット前日だが、この登録がないものは明日からこの街には入る事すら許されない。住民ですら許可証なくの移動は出来ず、まさに迷惑なサミットという気分になって来る。

本部で登録を済ませ、一応、警護ルートを確認しながら旅館に向かっていたジープで雄太が

『湖畔のホテルとか、お偉方のジジィとかババァと来るより、女の子と来たかった。』

とボヤくから俺は雄太に

『今日はあまり迂闊な事は言うなよ。』

とたしなめる。今日はマスコミが街中に溢れているからだった。明日からは許可された限定のマスコミしか入れない街になるから、今日はギリギリまで許可が取れなかったマスコミが街のそこら中で街頭インタビューなどをやっていた。

一通り、ポイントチェックを済ませ、旅館には夕方前に入っていた。五十嵐が本部に詰めているから俺は市兵の隊長達と警護ポジションの最終打ち合わせを旅館に設置した簡易の会議室で行っていた。

何度も既に打ち合わせ済みの内容だから、最終人員の確認程度の仕事だが、事が起きれば、軍の警護に穴があったと言われるのだから、上の連中はピリピリとしていやがった。