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堕天使 1st gig.
第22章 後悔
俺は笑いながら五十嵐に

『そんで、小雪が嫌になったのか?』

と聞いてみた。五十嵐はやはり赤い厳つい顔で

『そんなんじゃねぇよ。俺だってお前さん達は家族みたいなもんだ。でも、お前さん達が俺をどう思うかを聞きたかっただけだ。』

と言っていた。俺は五十嵐に

『うちの長男だろ?』

と笑っていた。不器用で女に弱いが俺達の事ばかり考えている五十嵐は多分、俺達の中では別の隊の隊長だが、長男だという感覚だ。

五十嵐は

『なら、いいんだ。』

とリナとじゃれている小雪を見ていた。俺は

『今日は五十嵐さんの奢りな。昨日は全部俺が払ったんだから。』

と言ってやる。五十嵐は

『ふざけんな。昨日はお前さんだけが飲み食いしただけだろうが!』

とキレていたが俺は雄太に

『五十嵐隊長が小雪の為に皆に奢るんだとさ。』

とわざと言っていた。雄太や大地達は

『ラッキー♪』

と叫び、リナがやはり俺に呆れていた。隊員達に小雪が五十嵐の女だと俺が無理矢理に暴露したからだ。小雪は慌てて五十嵐に

『小雪も半分持つよ。』

と言っていたが五十嵐は

『そのくらいは俺が払う。』

と諦めていた。

五十嵐はキャリアだ。本音を言えば、五十嵐と付き合って、もし上手くいくのなら、小雪は寿で軍を退役して欲しいとは俺は思っていた。

だが、小雪は五十嵐と付き合う前に、俺達が家族だから家族と離れる気はないと、だから退役は絶対にないんだと五十嵐に言い切ってしまっていた。

だから俺は笑っていた。この先は五十嵐の為にも小雪を隊員として守る事も俺には必要なんだと勝手に俺に押し付けて来た小雪と五十嵐に対して笑っていた。

小雪と五十嵐がまとまったのにリナは不機嫌なままだった。

『何が不満だ。』

『デリカシー…。』

『俺にそんなもん求めんな。』

『だよね…。』

そう言ってリナも諦めて笑っていた。諦めた軍人は小さな幸せを見つけては笑うしかなかった。五十嵐が俺に仕返しのように

『来週末は隊長会議だからな。』

と俺に言っていた。
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