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堕天使 1st gig.
第23章 龍大兄
ただ、ひたすら喚き散らす老婆に通訳が、とにかく銃を降ろせと、息子は多分無事だと説得を続け、老婆はただ喚いている状況がかなり続いていた。俺は宗司に

『テロとして老婆を射殺したら早くないか?』

と聞いてみた。宗司は

『一歩間違えたら国際問題になりますから止めて下さい。』

と険しい顔で俺に言う。やっと老婆が口をつぐみ、通訳が

『やはり、テロの家族です。どうやら、息子は別のアジト壊滅作戦の時に射殺されており、その日から老婆はここに居るようです。』

と困った顔をしていた。テロ協力者として逮捕するには微妙な状況という訳だ。それでも一応軍としては容疑者として確保はせざるを得ない状況だから俺は

『銃をとにかく降ろせと言え、それから1人ずつ身柄を確保して、とにかく所轄に引き渡す。』

と通訳に指示を出していた。半開きの扉のこちら側には通訳と後ろにマシンガンを女達に構えた涼宮、万が一に備えて扉を閉める体制の雄太と宗司、その状況で通訳は老婆の説得を続け、10分後、老婆が銃を降ろした時だった。

俺が見ていた老婆の後ろの女が笑いながら前に出て何かを握り締めていた。その女の笑いに背筋に悪寒を感じた俺は

『退避!』

と叫んでいた。宗司がいち早く反応し、涼宮が通訳の首元を後ろに引き、老婆が出て来る前に宗司と雄太によって扉が閉められ、中から

ズドンッ…

と鈍い音が響いていた。通訳が涼宮に掴まったまま

『何が…!?』

と驚愕していた。冷静な宗司はいつもと変わらない涼し気な顔で

『手榴弾で自爆したんですよ。逮捕されるよりも息子のとこへ行きたかった女が居たというだけです。』

と冷たく言っていた。俺はそのまま

『撤収する。』

と地下室の前から立ち去り地上へと上がっていた。男大義の為に見知らぬ異国へと連れて来られた女が男の為に死んだ。

胸糞悪い…

そんな事を考えながら俺は後は大隊と所轄に引き継ぎをして、大将に挨拶だけ済ませて本部へ戻っていた。

いつも通りに報告書を済ませ、昼前には家に帰るとリナが

『おかえり。』

と普通に俺に言って来る。
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