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堕天使 1st gig.
第23章 龍大兄
いや、翔ではないのだから俺は

『王 龍邦…、か?』

と聞いていた。王は流暢な日本語で

『少し、話さないか?君には聞きたい事が山ほどあるんだ。』

と言い出した。俺は笑って

『それはこっちもだ。』

と答えていた。スマートな黒のスーツに黒のワイシャツ、白系のブランドネクタイに高級腕時計、手に持っているコートも明らかに高級品…、だが、全体に趣味が良く、ちょい悪親父的になっていた翔に

翔はファッションなんか気にする男じゃなかった。だからコイツは翔ではなく王だ。

と感じる俺は何度も悪い頭に別人なんだと言い聞かせる。そうしないと俺の悪い頭は翔だと油断をしそうになるからだ。

駅前を少し離れ、落ち着きのある喫茶店に俺と王は入っていた。王はいきなり

『何故、君は翔を知っている?』

と言い出した。俺は

『それは、こっちが聞きたい。何故、あんたは翔と同じ顔をしている?』

と聞き返す。王は翔がいつも俺に見せた笑顔で

『あれは私の半分だから、当然だ。』

と答えていた。

一卵性双生児…

やはりかと思った俺は

『なら、翔は今はどこに居る?』

と聞いていた。その質問に王は怒りを感じたように

『義侠会と言うくだらない組織に殺されたよ。』

と険しく冷たい顔で俺に答えていた。王と翔は生まれてすぐに引き離された。理由は王一族は跡取り争いを嫌い、双子だと後々に問題になると翔だけが日本へと養子に出されたからだった。

『龍大兄とは一族を率いる名だ。翔は本来なら龍翔として龍小兄となるべき男だった。だから、私は翔を迎えにやったのに翔は無惨に義侠会の報復というくだらない事にやられたのだ。』

と王の説明を聞きながら、翔が既に居ない事に俺はショックが隠せなかった。

『だから、義侠会を破壊したのか?あんた…、翔を迎えに来たとか言ったけど、あんただってテロで結局、また翔を犯罪に引き込もうとしただけじゃないのか?』

と今度は俺が怒りで聞いていた。翔が望んでいた未来を俺は知っている。俺だけが知る翔の未来を義侠会や王が寄ってたかって潰したように俺は感じていたからだ。
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