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堕天使 1st gig.
第23章 龍大兄
王はまた穏やか顔に戻り
『私はただのビジネスマンだ。テロとは関係ない。だから、こうやって君と自由にお茶が飲めるんだよ。』
と鼻で笑うように言っていた。どこか冷めていて人を馬鹿にしたような笑い方だけは本当に翔に似ているとだけ俺は思っていた。
確かに王がテロ協力をしている証拠は何もない。テロを探れば王の名が出て来るが名前だけで外国人を拘束拘留は出来ない以上、王が自由である事には変わりない。
だけど…
『だけど、俺は施設で確かに翔の弟だった。今も俺は翔が生きているなら翔を兄として俺が面倒見るつもりだ。あんたみたいに犯罪側ではなく、真っ当な側で俺は翔と生きて行きたかった。だから、あんたが翔の兄だなんて俺は認めねぇよ。』
ガキみたいな言葉を俺は王に言っていた。翔が望んだ未来は俺が真っ当な世界で生きる事、翔自身も抜け出せるなら、そういう未来を望んでいた。
王はただ納得したように
『翔に君のような弟が居たなら、それだけでも救いだ。だが、君は結局、翔に何も出来なかったんだ。それは私も同じだ。』
とだけ言うと喫茶店から出て行った。俺はまた本部へと戻り、まだ仕事で残っていた五十嵐に王の事を報告していた。
五十嵐は
『証拠がなくとも、王という男が犯罪側には違いない以上、軍はマークを続けるし、いつか証拠を上げて取り押さえりゃいい事だ。』
と王に対して開き直っていた。休暇中なんだから帰れと五十嵐に言われ、俺は家に帰っていた。
帰るなり、リナが俺に飛びついて
『なんかあったかと心配した…。』
と泣きそうな顔になっていた。翔が既に居ないと理解した俺はリナだけの未来を必死に考えてしまうから俺はリナに心配をかけまいと
『時計に悩んだからな。遅くなって悪い。』
と笑ってリナに買った腕時計を渡していた。
今年もやっぱりリナは鍋とチキンと自分の分だけのケーキを用意していた。飯を食いながら俺は
『予定日は?』
と日に日に膨らむリナの腹に聞いてみた。リナは
『一応、1月の終わりなんだけど、少し小さいから遅れるかも?』
と答えていた。
『私はただのビジネスマンだ。テロとは関係ない。だから、こうやって君と自由にお茶が飲めるんだよ。』
と鼻で笑うように言っていた。どこか冷めていて人を馬鹿にしたような笑い方だけは本当に翔に似ているとだけ俺は思っていた。
確かに王がテロ協力をしている証拠は何もない。テロを探れば王の名が出て来るが名前だけで外国人を拘束拘留は出来ない以上、王が自由である事には変わりない。
だけど…
『だけど、俺は施設で確かに翔の弟だった。今も俺は翔が生きているなら翔を兄として俺が面倒見るつもりだ。あんたみたいに犯罪側ではなく、真っ当な側で俺は翔と生きて行きたかった。だから、あんたが翔の兄だなんて俺は認めねぇよ。』
ガキみたいな言葉を俺は王に言っていた。翔が望んだ未来は俺が真っ当な世界で生きる事、翔自身も抜け出せるなら、そういう未来を望んでいた。
王はただ納得したように
『翔に君のような弟が居たなら、それだけでも救いだ。だが、君は結局、翔に何も出来なかったんだ。それは私も同じだ。』
とだけ言うと喫茶店から出て行った。俺はまた本部へと戻り、まだ仕事で残っていた五十嵐に王の事を報告していた。
五十嵐は
『証拠がなくとも、王という男が犯罪側には違いない以上、軍はマークを続けるし、いつか証拠を上げて取り押さえりゃいい事だ。』
と王に対して開き直っていた。休暇中なんだから帰れと五十嵐に言われ、俺は家に帰っていた。
帰るなり、リナが俺に飛びついて
『なんかあったかと心配した…。』
と泣きそうな顔になっていた。翔が既に居ないと理解した俺はリナだけの未来を必死に考えてしまうから俺はリナに心配をかけまいと
『時計に悩んだからな。遅くなって悪い。』
と笑ってリナに買った腕時計を渡していた。
今年もやっぱりリナは鍋とチキンと自分の分だけのケーキを用意していた。飯を食いながら俺は
『予定日は?』
と日に日に膨らむリナの腹に聞いてみた。リナは
『一応、1月の終わりなんだけど、少し小さいから遅れるかも?』
と答えていた。