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堕天使 1st gig.
第24章 出産
翌朝、仕事に出た俺に宗司が

『おめでとうございます。』

と笑っていた。正直、まだ子供が出来たとか全く実感がない俺は

『1人だと結構キツいな。』

と言っていた。前の俺は1人でも平気だったが今は1人が辛い俺に変わっていた。宗司はいつもの涼し気な顔で

『すぐに3人ですよ。』

とやはり笑ったまま言っていた。

今日は訓練学校がない日だから俺は比較的に暇だった。ただ、五十嵐が珍しく2課までやって来て

『ちょっといいか?』

と俺に会議室の鍵を見せて聞いて来た。俺はまた機密かと宗司に

『後、頼む。』

とだけ言って五十嵐と会議室に向かっていた。会議室に入るなり、五十嵐はコーヒーを入れながら

『お前さん、ハーメルンの担当刑事、知り合いだって言ってたよな?』

と言い出した。俺は

『大塚さんか?それがどうした?』

と聞いてみた。五十嵐は

『まだ極秘扱いになってんだが、ハーメルンの子供が1人保護されたんだ。』

と言って来た。それは俺も知っている内容だった。昨夜、市兵の警邏が夜の8時頃、港近くを1人でフラフラと歩く子供を発見した。

市兵は今は1人で出歩く子供は保護するように指示を受けているからその子供を保護する事にした。だが、子供は薄汚れていて様子がおかしかった為にすぐに病院に担ぎ込まれ、その保護の連絡は所轄に回された。

所轄が確認した子供は先週、ハーメルンで行方不明になった子供だとすぐに確認が取れ、港付近を警察が徹底捜査を行ったが結局何も発見は出来ずに終わってしまった。

今朝のニュースはこのニュースがトップニュースだから、リナが居なくて落ち着かない俺は朝からこのニュースを見ていて知っていた。

『確か、今は子供の回復を待って事件の詳細を確認するとかなんとかって状況なんだろ?』

と俺は五十嵐に聞いてみた。五十嵐は

『ここからが極秘なんだが、その子供な、たった一言だけ市兵に言った言葉があるんだ。』

と妙に勿体つけて言って来る。俺は

『なんなんだ?』

と聞いていた。五十嵐はかなり険しい顔に変わり

『敵は殺せ…。』

と言っていた。
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