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堕天使 1st gig.
第24章 出産
俺は五十嵐の言葉に耳を疑いたくなっていた。

まさか…

『まさか!?』

と叫んだ俺に五十嵐が

『そのまさかの可能性があるからお前さんの意見を求めてんだ。』

と言って来た。

大戦時代の事だった。敵がゲリラ化をするように変わっていた戦場で俺と五十嵐は信じられない敵に攻撃を受けていた。

俺達を攻撃して来た敵は明らかに少年兵ばかりだったのだ。応戦した俺達は何人かは戦闘でやむなく射殺したが、何人かは取り押さえ捕虜として捕らえる事に成功していた。

だが、その少年達はほとんど口をきく事はなく、ただ呟くように

『敵は殺せ…。』

と繰り返しているばかりだった。その後、少年達の身元を調べると少年達は全て誘拐された子供ばかりだと判明した。

ゲリラ化した敵が子供を誘拐して洗脳して兵士として利用する事実に軍は少年兵を見かけた場合、戦闘状況であったとしても出来る限りの保護を決定していた。

俺は五十嵐に

『つまり、テロによる誘拐と洗脳がこの日本で起きてるって事か?』

と確認していた。五十嵐は

『まだそこまでのはっきりとした確証がないんだ。保護された子供はその一言を1度言ったっきり黙ったままらしいし、その言葉を聞いたのは保護した市兵1名のみだからな。』

と答えて来た。だから、軍は市兵の報告から対テロに対しての一応の報告を入れて来たがまだ警察の方へはこの話しを出してはいない状況だった。

『だが、子供を家に帰すなら、その情報は警察にも必要な情報だろ?』

と俺は五十嵐に確認していた。五十嵐は

『子供が連れ込まれた病院は軍人病院だから、今は検査中だと軍が時間稼ぎしているみたいだ。』

と言っていた。要するにもしテロによる誘拐だとすれば、一般市民がパニックになる可能性を軍は恐れているのだった。

『今、軍は内密に政府側と話し合いを進めている。だから、場合によってはお前さんが再び警察と組む可能性があるって事だ。』

と五十嵐が言い、この話しは一応終わっていた。ただ俺は五十嵐に

『ちょっと夕食だけ付き合ってくれ。』

と言っていた。
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