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堕天使 1st gig.
第26章 訓練兵
大学中退なら頭は決して悪くない、だが、明石はなんらかの事情で大学を辞め軍に志願した。

キャリアから外れ、それでも尚且つキャリアと同じ道を辿る特別訓練兵になった明石にはなんらかの目的があるのだと俺は明石だけを眺め続けていた。

時間が来たので俺は終了の合図を出し訓練を終わっていた。明石はずっと全力を出す事はなく要領でトップを取っているイメージだった。

抜け目ない奴か…

そう考えて本部に戻ろうとした俺に明石が後ろから俺に

『時間の無駄な訓練は止めて頂けませんか?基礎訓練なんか自主でやるべき事ですから。』

と言って来た。俺は振り向きざまに明石の足に足払いをかけ、態勢を崩した明石の腕を後ろ手にひねり上げて明石を地面に這いつくばらせてから

『お望み通りにまずは上官に対する敬意って奴から指導してやるよ。』

と言っていた。明石は慌てて歯を食いしばり俺の手から自分のひねり上げられた腕を離そうとしたが動けば動くほど明石の腕には痛みが走り

『こういうのが無駄だって言っているんです!』

と明石が叫んでいた。サポートはただ驚愕し、他の訓練兵も怯えた顔を始めていた。そんな状況で俺は明石に

『勝手に無駄だと決めんな。俺は無駄って奴が大嫌いでな。教える価値がない奴には基礎訓練しかやらせないんだよ。』

と言ってやる。明石は

『価値?初日で価値とかわかるんですか?』

と無理して鼻で笑うように俺に言っていた。俺は

『価値を見極めるのに5分も要らねぇよ。俺の攻撃に対して、お前は全く身体が反応していなかった。頭で次の行動をどうするかとか余計な事を考えてるような奴には基礎訓練で充分って事だ。』

と言いながら明石の腕を離してやっていた。俺から慌てたように後さずりで離れた明石は

『不意打ちとか卑怯な攻撃をする人の言葉に信用はありません。』

と俺を睨みつけていた。俺は笑いながら明石に

『俺は信用なんか要らねぇ。お前らと馴れ合う気なんぞないからな。それに戦場で敵に不意打ちは止めて下さいなんて通用しない事すら理解出来ん奴は訓練するだけ無駄だとしか俺は思ってねぇよ。』

と言ってやっていた。
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