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堕天使 1st gig.
第26章 訓練兵
前回、俺の不意打ちで俺のハンデが5kgだと理解した洞察力や行動力の良さは抜群だと俺は明石に感じていた。しかし、頭がいい割には何かに焦って判断力を見失いがちになるのが明石の気になる部分だ。

何にそんなに焦っているんだ?

俺はそうやって訓練日は明石にばかり構うようになっていた。

家じゃ相変わらずの寝たきり娘を眺め、俺は風呂上がりのリナに

『これ、まさか一生このままじゃねぇよな?』

と聞いてみた。呆れた顔のリナは

『後ふた月もすれば、こっちが嫌だって言ってもそこら中を動くようになるから…。』

と言っていた。

どうにか首は座ったとかで最近はなんとか俺にでも美優を抱っこは出来るようにはなったのだが、相変わらずハンデよりも軽く感じる我が子に俺は怯えている状況だった。

ただ美優は全く動じない子らしく、うちに来た彩華さんや親父さんが抱いても誰が抱いてもただ大きな蒼い目でしばらくジッと見た後は、小さなあくびをして寝てしまうという全く手のかからない子だと言えた。

一度だけ、美優が泣きそうにクシャクシャの顔をするから俺は泣くのかと期待をしたのだが、美優は

『クシャンッ!』

と小さなくしゃみをするとまたしても寝てしまうというだけで終わっていた。

一度も泣かない我が子が本当に大丈夫なのかとか俺は思うのだが、小児科医である彩華さんが

『全く問題ないです。』

と言うからリナも俺も要するに美優はそういう子なんだと思う事にしていた。

明日は休暇だからとビールを呑んでいた俺に

『妙な隊長さんの噂を聞いたんですけど、口説きたい女が今訓練学校に居るとか本当なの?』

とリナが俺の膝に乗って来る。簡単にはその気にはならないくせに、ヤキモチだけは人一倍という嫁に俺は

『欲しいと感じる奴だからな。』

と答えていた。どうせ五十嵐が変な形で小雪に言い、小雪がリナにまでそういう形で伝えたとわかっているから俺はいちいち動じない。

だが、リナにはそれはそれで嫌ならしく

『私よりも欲しいの?』

とか言いやがる。
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