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堕天使 1st gig.
第27章 場所
今朝は、ベッドから出てズボンを履こうとした俺の足元へとやって来て、美優を踏んづけると困るから俺は

『リナ!』

と呼びつける。洗濯やらをしていたリナが慌てて美優を回収したが、次は俺が髭を剃り、歯を磨いているといつの間にか美優が俺の足元に来ていた為、俺は再び

『リナ!』

とリナを呼んでいた。その後もコーヒーを飲む俺の足元を美優はひたすら這いずり回り、最後は玄関で俺が座ってブーツを履いている背中に向かって突撃して来る物体に俺は

『リナぁっ!!』

と叫ぶ羽目になっていた。リナは俺の背中から美優を引き剥がしてから引き攣った笑顔で俺に

『いってらっしゃい。』

と言っていた。

俺の話しに五十嵐が

『可愛い話しじゃねぇか?』

とか言って来るが俺は

『それが緊急出動の時だと想像してみろ。』

と言い返していた。雄太とハヤトは青い顔で

『緊急の時のそれはキツいっす…。』

と言っていた。どうやら美優は1日中一緒に居るリナよりも時々しか見かけない俺に興味があるらしく、俺の存在は今や美優のハイハイの目的地になっていた。

そうやって美優が着実に成長を続ける中、俺は休暇中にリナと美優を連れて山内のところへと行き、それなりに平穏な日々を送っていた。

そんな平穏はすぐに終わり、雨が降り出し、世間は梅雨というものへと突入していた。毎年、俺は雨が嫌いで梅雨の時期はイライラとする。

だけど今年は何かと美優がやらかしてくれるから俺はイライラするよりもリナと笑っている方が多い年だったから宗司が

『毎年、そのくらいの機嫌だと助かるのですが。』

と言うくらい俺はまずまずの状況だった。

ただ、雨だというのに面倒な任務が俺達に降りていた。要人警護という奴で要はどこぞの国のお偉方のおっさんを警護するという役目だった。

本来、この仕事は所轄とSPに市兵が多少動員される程度の仕事のはずなのだが、このおっさん、自分の国を出る少し前にテロから

『日本に行けば血の雨が流れる。』

と有り難くない脅迫を受けてしまい、対テロも緊急扱いで警護に出動する羽目になっていた。
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