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堕天使 1st gig.
第27章 場所
俺が帰りたかった場所…

ぼんやりとした頭でそんな事を考えて動き続ける俺にリナが

『やぁんっ…、イクッ!』

と叫ぶから俺は

『ああ、俺もだ。』

とか言ってリナの中で果てていた。俺はただ身体がだるくて頭がぼんやりしたままだったがリナが心配そうな顔で俺に

『何かあったの?』

と聞いた答えに俺は

『悪い…、寝かせてくれ…。』

と答えていた。さっきまで聞こえなかった雨の音がまた聞こえて来て

俺は…、雨は嫌いなんだ…

とリナに言おうとしたが言えないまま眠っていた。

ずっと雨なのに、翔が呆れて俺に笑っていた。翔の隣には由紀さんが居て

『アルトは子供だから…。』

と俺を笑っていた。俺はふてくされて由紀さんに

『仕方ねぇだろ?』

と言っていた。由紀さんは翔の彼女でそんなに美人ってほどではなかったが、明るい性格の人で笑顔が優しくていい感じの女性だった。由紀さんは翔の1つ上だから、もう21か22だった。俺は高校の3年でどうせ就職組だからと相変わらず勉強はせずに毎日身体だけは鈍らないように鍛えているだけの学生だった。

翔は義侠会で盃を貰ったとか言って、いっぱしのヤクザになっていたが俺との関係は相変わらずで、翔が由紀さんの為に借りた2DKの小さなアパートの部屋に俺が行くと

『こいつになんか食わせてやってくれ。』

と翔はいつも由紀さんに俺の為の飯を作らせるようにしていた。別に飯が食いたかった訳じゃないが、由紀さんが作る飯が美味かったのと、由紀さんの為に仕事の時以外は出来るだけアパートに居ようとする翔だったから、俺もなんとなくそのアパートに入り浸るようになっていた。

翔が

『就職先はちゃんと考えたのか?』

と飯を食う俺に聞いていた。俺は

『どうせ、どっかの工場で安い給料で機械みたいに働くか、それが嫌なら軍に行けって言われるだけだ。』

と開き直るように言っていた。翔は

『ちゃんと考えないと後で後悔するぞ。』

と笑っていたが由紀さんが

『アルトは子供だから…。』

と苦笑いをしていた。
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