パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第27章 場所

暇だからと、結局、涼宮やハヤトもギャラリーを選び、今日はゾロゾロと引き連れて俺は訓練学校に向かっていた。

屋内の格闘室で雄太達を見た訓練兵はざわついていたが明石は冷静なままだった。俺は訓練兵に

『勝ち抜き戦だ。訓練兵の中でトップで勝った奴だけ雄太とやって貰う。もし雄太に勝てば次は宗司だ。宗司にも勝てる奴なら今期の授業は満点で免除してやるよ。』

と言っていた。明石が俺に確認するように

『免除って事は教官の訓練はもう受けなくてもいいって事ですか？』

と言って来たから俺は

『勝てたらな。』

と答えていた。一応、他の訓練兵も目付きを変えていたが、宗司がかけた

『始め。』

の合図に半数がすぐに諦めた顔になり、15分もする頃には大半が明石に負けて諦めた顔になっていた。

明石の動きはこの段階では基本的な普通の近接戦闘術であり、とりわけ強いと感じさせる部分はなかったが、基本に忠実に相手を仕留める明石に他の訓練兵はもう挑む気力を失っている感じだった。明石が

『どうやら俺が挑戦権を手に入れたようです。』

と気力を失った他の訓練兵を鼻で笑うように見ていた。俺は雄太に

『本気が見たいんだよ。』

と言うと雄太は

『まぁ、副官も控えてるからやってみるっす。』

と始めからハンデを外していた。明石は訓練兵とやり合う前にはハンデを外していたから俺は明石に

『休憩が必要なら待ってやるよ。』

と言っていた。明石は

『必要ないですよ。』

と余裕の笑みを浮かべていた。

やはり、手の内を隠してやがるか…

そう思う俺の前で宗司が

『始め。』

と号令をかけていた。雄太がフットワークでリズムを刻み始めると、明石がまるで雄太にリズムを合わせるようにリズムを刻み始めていた。

だが、明石の動きは体術や武道、ボクシングなどの格闘術とも違い、ユラユラと身体を踊らせるような動きを始めていた。

『なんだ、あれは…？』

そう言った俺に目を細め厳しい顔をした宗司が

『舞踏…、と言うべきですね。』

と答えていた。