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堕天使 1st gig.
第28章 謝罪
未だにリナを傷つける事しか俺はしていない…

そう思ってため息をついた俺はリナの頬にキスしてから

『無事に帰ったら由紀さんの事はちゃんと教えてやる。お前が謝れと言うならいくらでも謝ってやる。だけど今は仕事だから、ごめんな。』

そう言って俺はリナを残して家を飛び出していた。本部に着き

『状況報告!』

と言った俺に宗司が1課からの情報を伝えて来ていた。

地下鉄の最終線で銃を持った男が車掌に銃を突きつけ、地下鉄の駅と駅の間に車両を停止させた。

男は地下鉄の車両に爆弾を仕掛けたと言い、車内アナウンスで車両全ての人間を人質に取っていた。

そこから男は無線通信で地下鉄の運営管理局に向かって

『24時間以内に仲間を5人を釈放すれば5車両の人質を1車両ずつ返してやる。』

と宣言したのだった。

『参ったな…。』

と俺は宗司に言っていた。宗司も

『どう動くにしてももっと情報が必要ですよね…。』

と言っていた。まずは銃を持った男だけなら射殺なりなんなりが可能なのだが、爆弾が別に存在するという事は男の仲間が同じ車両内に居る可能性を考える必要があるからだ。

後は爆弾の性質や性能の情報も無ければ迂闊に動けない状況だ。男の要求は当然

『軍の介入は認めない。』

というのが含まれる要求だ。

『他の情報はないのか?』

そう聞いた俺の前に岩本が立っていた。岩本は

『新しい情報です。そちらのお役に立てるかわかりませんが。』

と俺に書類を出していた。男が要求した仲間の身元から元のテロ組織などを情報部が洗い直した情報だった。

男の身元が判明し、国際手配のテロだという事だけは情報を得た。男の手口は車両内に3つの手荷物の中に爆弾を置いて自分は車両から降りるというパターンの手口を海外で繰り返していた。

なら、男は常に単独行動をするタイプだと俺は想定した。

『とりあえず出動するぞ。』

と俺は現場に向かっていた。現場には俺達αは車両の頭がある方の駅に向かい、βとγは車両の後ろ側の駅に向かわせた。
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